灰色かび病(花/トルコギキョウ)

病徴と診断
育苗期は地際部分に発生し、苗立枯れとなる。開花期になっても、地際部分に発生して立枯れを起こすとともに花弁や花梗部分にも発生して花腐れを起こす。
発病条件
本病の多発原因は、水管理によるところが大きいと考えられる。育苗期間中の多かん水および定植後のトンネルによる管理等本病にとって必要な多湿環境は十分である。また、開花期は水を切らすが、この頃は昼夜温の格差が激しく、夜間締め切っていると、明け方気温が低下した時に湿度はほぼ100%に達し、結露もおきるため、やはり発病に好適となる。
防除方法
1.施設内の湿度を下げる。特に、夜間から明け方にかけて湿度を90%以下に保つことが重要である。そのためには、除湿機等の導入も良い。
2.薬剤防除では、ベンズイミダゾール系殺菌剤(ベンレート、トップジンM)に対してすでに耐性菌が発生しており、これらの防除効果はほとんど期待できないので使用しない。
3.薬剤防除は同一剤及び同一系統剤を連用しないで、ローテーションすることを基本とする。
4.防除体系としては、ジエトフェンカルプを含んだ混合剤とポリオキシンやイミノクタジン等(その混合剤や類似薬剤)を中心に散布し、イプロジオンを間に入れていくのが有効と考えられる。なお、イプロジオン(ロプラール)に対しては、野菜花き試験場で検定したところ、ほとんどの菌株が弱耐性であった。
5.薬剤防除を実施する場合でも、 くん煙剤や常温煙霧法を利用し、施設内の湿度を上げないのが望ましい。