農作物病害虫データベース

シロイチモジヨトウ(花/トルコギキョウ)

シロイチモジヨトウ

別名テンサイヨトウとも呼ばれる。主にテンサイやワタに寄生する世界的な害虫である。我が国では、1960年頃九州地方を中心にテンサイに被害をもたらし、一時間題になったが、その後は大きな問題にはならなかった。1980年代になって鹿児島県や高知県のネギで被害が目立ち始め、関東、東海、北陸、山陰地方にも被害が拡大しており、近年花き類の害虫としても各地で問題になり始めている。長野県内では1992年頃から県北部のトルコギキョウ栽培施設で被害の発生が確認され始めた。

被害と診断

トルコギキョウでは、若齢幼虫が葉の表皮1枚を残して食害し、齢期が進むと葉だけでなく、花、蕾、採種用株の果実内の種子まで食害する。
幼虫の形態は、老熟幼虫で体長が25mm程度と、ヨトウガなどと比較するとかなり小さい。体色は若齢期から中齢期にかけては黄緑色から緑色であるが、老齢期は緑色から黒褐色まで大きく変異する。中齢期以降は体側面に明瞭な白線があり、個体によっては白線沿いに桃色がかった半月状の斑紋が出る場合がある。

発生生態

幼虫に休眠性はなく、どのステージにおいても発育零点は14℃ 前後とかなり高い。また、発育零点からやや高い15~ 16℃ ぐらいでの生存率もきわめて低い。しかしながら、降雪中で周辺が結氷している環境下でネギを食害しているところが確認されているので、耐寒性自体はかなり強いものと考えられる。25.5℃ 条件下では、卵から成虫までの1世代を完了するのに要する期間は約23日で、暖地における年間発生世代数は5世代前後と考えられる。
産卵は羽化後2~ 3日目から始まり、産卵期間は5日間前後である。卵塊で産卵し、1雌当たりの産卵数は700卵前後で、1000卵を超えることもある。幼虫は5齢を経て蛹になるが、蛹化するときは土中に蛹室をつくり、そこの中で蛹化する。

防除方法

各種薬剤に対する感受性が著しく低く、また抵抗性がつきやすく、防除の困難な害虫である。収穫終了後の植物残澄も餌として発育し続けるので、激発圃場では翌年の発生源になる可能性が高い。したがって、収穫終了後は、接触型除草剤で残澄の地上部を枯らして幼虫の餌をなくしてから焼却処分し、土中の蛹は土壌消毒時に併殺する。また、圃場をていねいに耕すことで、完全ではないが土中の蛹の数を減らすことができる。
ハウスの開口部を#300程度の寒冷紗でおおうとアザミウマ類を含めた侵入防止効果が期待できる。また、卵塊で産卵されているので、卵塊や孵化直後の幼虫集団を見つけたら、分散する前に速やかに取り除く。性フェロモン剤を用いて交信撹乱を行うと、密度抑制効果が高い。

防除マニュアル

防除マニュアルはこちらからご覧ください。

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