農作物病害虫データベース

セジロウンカ(普通作物/イネ)

セジロウンカ

セジロウンカはトビイロウンカとともに重要な海外飛来性害虫である。西日本では最高分げつ期に多発し、株全体が黄~黄褐変して立ち本占れ状になる被害が一般的である。一方長野県では8月中旬以降に被害が発生する場合が多い。

被害と診断

セジロウンカは通常の発生程度では実害を起こさない。しかし、生育後期に多発した場合には、吸汁により倒伏する場合もある。成虫および幼虫は主にイネの株元に寄生し、養分が流れる師管部から吸汁する。出穂期以降になると成虫は上位葉や穂に移動する。多発田では水田内を歩くと成虫が粉のように飛び上がる。排泄物にはすす病が発生し、止め葉や穂の基部が黒ずんでくる。特に穂に発生した場合には稔実歩合が低下し、減収の一因となる。なお、ツマグロヨコバイによるすす病との識別は困難である。田植25日後頃のイネが産卵や増殖に適するため、一般に遅植えで多発しやすい。
セジロウンカの成虫は体長4~ 4.5mmで、体は灰~黒褐色。胸部背面には白い縦線が入り、翅は透明である。ツマグロヨコバイは体長が約1.5倍で翅が緑色なので容易に区別できる。本種と生態が類似するトビイロウンカはやや大型で、体色が濃い褐色味を帯びて油光りしているので見分けられる。ヒメトビウンカとは良く似ている。しかしセジロウンカは頭部先端が、左右の複眼を結んだ線より明らかに突出する点や体色が黄褐色味を帯びない点で異なる。肉眼での識別は困難で経験が必要である。
幼虫は乳白色で、中齢以降は黒い雲型模様が背面に現れる。腹部先端は丸味をおび、ここが尖るツマグロヨコバイ幼虫と区別できる。他のウンカ類幼虫との識別は困難である。
発生密度などにより、雌成虫では前翅が腹部先端より短い短翅型が出現する。短翅型成虫は移動性がなく、長翅型に比べ体が大きく産卵数も多い。短翅型の出現率が高いとその後多発しやすい。

発生生態

本種は休眠性がなく、国内では越冬できない。梅雨前線の移動にともなって発生する強い西風(下層ジェット気流)に流されて、毎年日本へ飛来する。このため発生量や時期は年次や地域により大きく異なる。県下への初飛来は6月中下旬で、梅雨明け直前の7月中旬頃が飛来盛期となる。この時期の侵入量と梅雨明け後の天候が次世代以降の発生量に大きく影響する。
水田内に定着した飛来成虫は葉や葉鞘に傷を付け組織内に産卵する。産卵部は赤褐色に変色し、縦すじ状の産卵痕が残される。卵は10日前後でふ化し、幼虫は株元に寄生して2週間程度で成虫になる。次世代幼虫は7月下旬~ 8月上中旬にかけて発生し、成虫が出穂期以降に多発する。普通は水田から飛散してしまうが、水田内に残って加害を続けると9月以降に被害が発生する。

防除方法

1.本種は薬剤により比較的容易に防除できる。しかし、高密度になってからでは効果が不十分になるので、水田の発生状況に注意し、 7月下旬~ 8月中旬に防除する。

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