農作物病害虫データベース

イネツトムシ(普通作物/イネ)

イネツトムシ

イネツトムシは県内でイネの葉を食害する最も重要な害虫である。幼虫はイネの葉を綴合わせて巣を作る。これを「つと」と呼び、名の由来となっている。和名はイチモンジセセリで、カラゲムシとも呼ばれる。蛾でなく蝶の仲間である。

被害と診断

幼虫が葉を摂食する。第1世代幼虫は発生量が少ないため実害に至らず、第2世代幼虫が被害をもたらす。成虫は葉色の濃い若いイネに好んで産卵するとされ、二期作など晩植地帯で恒常的に多発する他、高冷地での発生が多い。同一水田内でも水口や日影など、生育の遅れたイネに寄生が目立つ。また、粳よりもち品種の方が被害を受けやすい。2齢幼虫までは下位葉の先端や葉縁をわずかに折り畳んで巣にする。大きさは4 mm程度で見つけにくい。3齢幼虫は接触した2枚の葉を綴り合わせ、 4、 5齢幼虫は数枚の葉を紡錘形に綴り合わせつとを作る。4、 5齢幼虫のつとは上位葉に多く、容易に発見できる。幼虫は夜間や曇天時につとから出て活動する。 3齢幼虫までの食害はほとんど問題なく、 4齢以降急激に摂食量が増加する。特に5齢幼虫は食欲旺盛で、多発すると上位葉を食べ尽くし、被害部は坪状に落ち込んで見える。葉身を摂食し、穂や稈を加害する事は稀である。イネを食べ尽くすとイネ科以外の雑草も摂食する。加害盛期が出穂期と重なるため、籾の肥大が阻害され減収する。また、出穂期前の止葉を綴ると、穂の抽出が機械的に阻害され、穂が折れることもある。
成虫の体長は約20mm、翅を開いた幅は約35mm。胴体に比較して翅が小さい。胴体、翅とも暗茶褐色で、後翅には白斑が直線状に並び、和名の由来となっている。飛翔は速く、比較的低い所を直線的に飛ぶ。幼虫の体長は5齢で40mmに達する。頭部は大きく3齢までは黒色、以降は褐色になる。体色は緑色で、老熟すると体側から白いろう物質を分泌する。

発生生態

県内ではほとんど越冬できない。 6月上中旬に越冬地から越冬世代成虫が飛来し、田植後のイネに産卵する。ふ化幼虫は葉を摂食して生育し、 7月中旬から羽化する。発蛾最盛期は年によって異なるが概ね7月下旬~ 8月上旬になる。第1世代成虫は晩植地域などに移動して、葉色の濃いイネに好んで産卵する。産卵場所は葉表が多く、 1卵ずつばらばらに産下される。卵は直径約1mmの半球形で褐色~淡紫色をしている。老熟幼虫は長径5~10cmのしっかりしたつとを作りその中で蛹になる。早い年では8月中旬から第2世代成虫が発生する。普通、成虫は蔵卵せずに訪花して吸蜜し、9月末から集団で西に向かって飛翔移動する。東海、西日本などの越冬地に着くとひこばえ、すすきなどに産卵する。ふ化幼虫はイネ科植物を摂食し、越冬に入るとされている。

防除方法

1.8月上旬に幼虫が株当たり0.3頭寄生していたら防除する。
2.大きなつとが目立ち始めてからでは手遅れで、防除適期は発蛾最盛期から1週間後、概ね8月上旬頃である。

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