農作物病害虫データベース

ツツジグンバイ(花/ツツジ)

ツツジグンバイ

ツツジやサツキを作ると必ず発生する害虫である。カメムシ目グンバイムシ科に属するもので、この仲間は日本に70種ほどみられるが、中でも著名な種類である。サクラやボケなどを加害するナシグンバイもよく知られている。
成虫は、前胸の翼状突起や翅がひらたく広がっているため、背面から見ると軍配状にみえるのでこの名がある。

被害と診断

梅雨明け後の高温、乾燥の時期になるとかすり状の白斑が見られるようになる。これが初期の被害である。これが葉全体に広がって、被害が著しくなると、落葉するようになる。
被害葉の葉裏を調べると、透明な翅をもった虫やトゲだらけの幼虫がたくさん見つかる。これはツツジグンバイの成虫と幼虫である。
また、葉裏は吸汁加害のために褐変して、月ヽさな黒い点が一面について汚れている。これはこの害虫の排泄物である。ツツジ、サツキ、レングツツジ、シャクナゲなどを栽培すると、必ず発生してくる。
吸汁加害のため葉が変色し、早期落葉のひどいときは、枝の伸長も悪くなり、花芽の形成も損なわれることになり、翌年の開花も著しく少なくなってしまう。
被害は夏から秋にかけて多くなるが、これは本種が高温、乾燥を好むためと考えられている。
葉裏に寄生している成虫は体長3~ 4 mmほどで、翅はひらたく広がって、透明で翅脈がレース状にみえ、背面から見るとX字状の黒褐色の紋があり、軍配状である。胸部は丸くふくれて黒色で、網目状の模様の翼状突起を有する。幼虫は翅がなく、体のまわりに刺状突起がある。
本種の被害によく似た症状にハダニ類の寄生による被害が見られるが、葉裏を肉眼で見た場合に、黒い排泄物で汚れていて、ツツジグンバイの成虫、幼虫が容易に見ることができるので区別できる。

発生生態

越冬は主に成虫のステージで葉の茂みや間隙で行っているが、一部は卵で越冬するものもいる。 4月ごろから活動を始め、越冬成虫は葉裏の表皮の下に1卵ずつ産卵する。卵は4~ 5日で孵化して幼虫となる。幼虫はまとまって集合生活をしており、小さな葉の裏を集団で吸汁加害するため、被害は急速に見られるようになり、その進展も早い。約20日間で成虫になる。 1年間に4~ 5世代を繰り返す。

防除方法

薬剤には比較的弱い害虫である。成虫、幼虫とも常時葉裏で生活しているので、葉裏に十分薬液が届くように散布することが重要である。
年間の発生回数が多く、繁殖力が旺盛であるので、散布ムラがあるときわめて早く復活してくる。梅雨明け後は発生に注意をして、発生初期の防除に努める。

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