農作物病害虫データベース

葉腐病(ブラウンパッチ)(芝/セイヨウシバ)

葉腐病(ブラウンパッチ)

長野県内ゴルフ場のベントグリーンで最も一般的に見られるリゾクトニア属菌による土壌病害である。病原菌の生育は10~ 35℃で見られるが、適温は30℃ 付近にある比較的高温性の病害である。

病徴と診断

直径数10cmのほぼ円形褐色のパッチ(発生部分)となる。発生に適した高温・多湿条件下ではパッチは急速に拡大し、パッチ周縁部にスモーキーリング状の紫褐色の縁が見られる。パッチの色調は土壌湿度により変わり、乾燥気味の時は色調が淡く、湿度が高まるほど褐色が強くなる。進展速度は気象条件等により異なり高温多湿条件の時は1日約l cm前後の進展が認められる。発生条件が揃うとグリーン上に次々とパッチが現れて、互いに融合し大型不定形のパッチとなり、放置すればグリーン全面が茶褐色化する。

発病条件

10℃ では全く発病せず、15℃ でわずかに発病し、20~ 30℃ 、特に25℃ ~30℃ では激しく発病する。病原菌は主にサッチ層(芝の刈リカスが堆積した未熟有機質の層)で腐生生活を営み、高温期になると抵抗力の低下した芝に侵入する。気温とともに土壌の過湿も重要な発生要因である。サンドグリーンで発生が少ないのは排水がよいためである。また、窒素肥料の過多で芝草が過密になると発生は助長される。一方、窒素の欠乏状態で発生すると回復に時間を要しターフの損傷が大きくなる。
発生時期は、標高600m以下では6月下旬~ 7月上旬頃から、標高1,000m前後では7月上。中旬頃から平均気温が20℃ 前後に達して、雨が多いと発病が見られるようになり、夏季に向けて増加する。一方、標高1,300m以上になると気温が低いため発生は極端に少なくなる。
真夏の乾燥期には病勢は一時停滞するが、 9月以降の秋雨期に再び病勢の進展が見られる。標高の低い地帯では遅くまで病勢進展が認められ、発生期間が長くなる。

防除方法

耕種的には次の点に留意する。①春期のリノベーションによって芽数を減らしておく。②窒素過多は発病を助長するが、逆に窒素欠乏の状態では発生した場合のターフの損傷が大きいので適正施肥に努める。③また、 リン酸欠乏でも発病は助長されるため、 リン酸肥料が欠乏しないように心がける。④過度の潅水をしない。
薬剤による防除効果は非常に高く、発生初期であれば、通常、数回の薬剤散布によりほとんど病微を認めないほどに回復する。従って、発生前からのスケジュール防除は多発条件時を除いて必要ない。標高の高い地帯では病勢の進展が緩慢なので、発生部分のみのスポット散布だけでも対応できるが、それ以外は発生の拡大が早くスポット散布では対応できないので、発生を認めたら早めにグリーン全面に殺菌剤を散布する。

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