農作物病害虫データベース

炭そ病(芝/セイヨウシバ)

炭そ病

炭そ病はこれまで牧草類で発生していたが、ゴルフ場のベントグラスでの発生は、1992年に報告された芝草病害の中では最も新しい病気の一つである。長野県では1993年に防除回数の極端に少ないいくつかのゴルフ場のナーセリーで発生が確認され、その後、グリーンでも発生が見られている。近年急に発生が多くなった要因として、殺菌剤の散布量が減少したこと、広範囲の病害に効果のある薬剤の使用量が減少し、選択性の高い薬剤が主に使用され始めたこと、等が考えられる。

病徴と診断

発生初期は周辺より色の淡い黄緑色の数10cmのほぼ円形に近いパッチ(発生部分)として認められる。その後、病勢が進展すると、部分的に芽数の減少により枯れた下葉が目立ち初め、色調も淡褐色~褐色に変わってくる。また、パッチの形も不定形に拡大していく。さらに進展すると病勢の進んだ部分の土が露出してくる。
葉腐病(プラウンパッチ)やピシウム病と比較して、病勢の進展は遅い。また、葉腐病は健全部との境が明瞭であるが、本病は健全部との境が不明瞭でスモーキーリング状にはならない。
土壌湿度の違いにより病徴が異なり、乾燥期に発生するとパッチの拡大が抑制され、比較的小型のパッチが散発的に現れる。この小型パッチの大きさはグラースポット病とほぼ同じであるが、グラースポット病のパッチの色調が明るい淡褐色であるのに対し、炭そ病ではやや褐色が強くなる。
罹病芝の地際の葉鞘部には細かい黒点が見られる。ルーペ等を用いると黒点にはコレトトリカム属菌の特徴である剛毛が見られるので診断のポイントとなる。

発病条件

本病は発病温度域が広いことが特徴で、春先のやや低温期から真夏の高温期、冷涼な秋に至るまで発生はだらだらと続く。本県では5月下旬~6月上旬頃が初発期で梅雨期に入り病勢は進展する。夏季の高温乾燥期には一時病勢は弱まるが、その後再び10月下旬頃まで発生が続く。
通常、病原菌はサッチ層等で腐生生活を営んでいるものと思われるが、植物にストレスが与えられ抵抗性が低下した場合に侵害するようになる。
土壌湿度が高いと発病が助長され、降雨が続く場合はグリーン全面に発生することもある。

防除方法

春期のリノベーションにより芽数を減らしておく。
過度の潅水を控える。窒素肥料が欠乏した場合に発生すると、回復に時間を要するので、適正施肥に心がける。
薬剤防除は、発生程度が進むと芝の生育の回復に時間を要するため、発生初期にグリーン全面に1週間~10日間隔で数回行う。

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