農作物病害虫データベース

葉腐病(ラージパッチ)(芝/ニホンシバ)

葉腐病(ラージパッチ)

本病は芝草病害の中では比較的新しい病害で、20数年前中国・四同地方で発生したことに始まる。現在では九州。東北の一部および北海道を除く全国に発生が見られる。ノシバの中で最も重要な病害であり、本県でも発生は比較的多い。
洋芝の葉腐病(ブラウンパッチ)と同じリゾクトニア属菌であるが、温度に対する反応や寄生性が異なる。洋芝の葉腐病(プラウンパッチ)より低温性である。

病徴と診断

葉での病徴は全体が黄褐色に枯れ、糸状に萎凋するのが特徴である。疑似葉腐病(象の足跡)は葉が萎凋せず不定型の病斑を作るので区別できる。
発生極初期は直径数cm程度の部分であるが、放置しておくと互いに融合し、時に100mを越えるような大きなパッチを形成する。
ラージパッチの名前の由縁である。進展期にはプラウンパッチと同様、周縁部が濃い黄褐色に変わってくる。パッチの内部の芝は枯れ、次第に裸地になり、やがてスズメノカタビラ等の雑草が優占し、その痕跡はなかなか消えない。

発病条件

本県では、野芝の萌芽が終えた4月末~ 5月初旬から梅雨期が終わる頃までと、秋雨期に発生するが、標高700m付近では夏場の気温が低いと切れ目なく発生が続くことがある。また、標高1,000m近くなると夏場でも発生が続く。発生には降雨が必要で、特に4月中の降雨が多いと発生が早くなる傾向がある。
発生場所は主にはノシバフェアウェー、ラフであるが、ティーグランドにも発生する。
パッチの見られない時期でも菌は地下部のほお、く茎に潜在しているので、完治はなかなか困難である。
発生実態を観察してみると、購入芝から菌が持込まれたと思われる例が多く見られ、極初期の発生を見逃し防除しなかったため、気づいた時には直径数mもの大きなパッチになっていた例がある。
芝の張り替えの際は十分な注意が必要であり、発生極初期の段階で防除し、コース内での蔓延を防ぐ必要がある。また、ノシバ用のナーセリーを持つことができれば、菌の持込みを未然に防ぐことができる。その他、未熟有機物(サッチ等)の蓄積や排水不良、発生期にバーチカルモアをかけたりすると発病が助長される。

防除方法

無病芝を導入することが最も重要である。仮に感染芝を持ち込んでも最初の発生は極小面積であるので発生が認められ次第、直ちに殺菌剤を散布する。コースの改造、修復等で芝を張り替えた場合は観察を怠らない。その他、ターフが多湿とならないよう土壌条件を改善することや発生期間には芝を傷つけるような作業を控えることも重要である。
薬剤防除は病勢が進展し始める前(4月下旬~ 5月上旬、 9月中旬)の散布が効果的で、薬剤の防除効果は、パッチ周縁部の茶褐色帯が消えることで確認できる。

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