農作物病害虫データベース

疑似葉腐病(芝/ニホンシバ)

疑似葉腐病

(春はげ症)
多くのゴルフ場のノシバコースに一般的に発生しているリゾクトニア属菌による土壌病害である。後述する疑似葉腐病(象の足跡)と同じ菌とされているが、発生時期や発生場所、パッチの形状が異なるため、菌系についてはなお検討の余地がある。また、コウライグリーンに発生するピシウム属菌による春はげ症もあるが、本県では問題となっていない。

(象の足跡)
前述の春はげ症と同じ菌である。病原性はケンタッキープルーグラス、 トールフェスク等の寒ツ令地型洋芝、日本芝を問わずかなり広いが、洋芝コースでの発生は今のところ目立たないようだ。

病徴と診断

(春はげ症)
ノシバが萌芽し始めた時期に、直径数10cmのほぼ円形に萌芽が遅れるパッチ(発生部分)が生ずる。多発した場合、パッチが融合して不定型の大型パッチを形成することもある。パッチの色調は単一で、その後拡大することはないが、健全なノシバが次第に色をつけてくるので発生は日立つようになる。そのまま放置しておくと、次第に萌芽がはじまり、梅雨に入る頃には全く目立たなくなることが多く、防除を必要としない場合も多い。

(象の足跡)
本病は直径数10cmの淡褐色円形のパンチとなり、葉腐病(プラウンパッチ、ラージパッチ)と同様、周縁部がスモーキーリング状に濃褐色になるが、中にはほぼ均一で鮮やかな淡褐色のパッチになることもある。葉では周縁が暗褐色で囲まれた不定型の淡褐色の病斑をつくるのが特徴で、この葉での病斑はラージパッチには現れない。

発病条件

(春はげ症)
病原菌は、通常サッチ層や土壌表層部分に腐生的に生息しており、気温が低くなる秋~晩秋にかけてノシバに侵入、感染する。しかし、この時期のノシバは次第に休眠期に入るため、パッチは現われない。発病は夏場の過乾燥で助長される。また、秋期の窒素過多も発病を助長する。

(象の足跡)
本病は梅雨期と秋雨期に発生するが、一般的には秋雨期に発生が多い。刈高の高いラフやティーグランドの法面に発生しやすいが、最近はフェアウェーやティーにも発生する例もある。病勢は10月に入り最も旺盛になリノシバの休眠とともに目立たなくなる。ターフが枯れることはないが、多発すると美観を損ねる。発病には降雨が必須で、 9~ 10月の降水量が発生を大きく左右する。発病温度は10~ 25℃ で感染・発病するが、20℃ で最も発病が激しい。ラージパッチの菌よりむしろ低温性の菌である。

防除方法

(春はげ症)
耕種的には秋期の窒素肥料を控えめにする。また、夏場の乾燥害を防ぐことが必要であるが、広いコースであるのでなかなか困難であろう。薬剤防除は、10月下旬あたりが防除適期と考えられる。前述のように病原菌の侵入時期が前年の秋であるので、早春の薬剤散布は全く効果がない。

(象の足跡)
薬剤の防除効果は高く、発生初期に薬剤を散布すればよい。

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