農作物病害虫データベース

雪腐病類(芝/シバ共通)

雪腐病類

共通長野県は標高の高い地帯にゴルフ場が分布しているため、降雪量、積雪期間が長く、雪腐病類は重要な病害となっている。洋芝、日本芝を問わず発生するが、日本芝は冬季休眠するため被害が日立たない。本県のゴルフ場で発生が見られる雪腐病類は雪腐褐色小粒菌核病、雪腐黒色小粒菌核病、紅色雪腐病の3種類であるが、このほかに褐色雪腐病、雪腐大粒菌核病がある。

病徴と診断

高冷地の雪解け後の芝生では自~淡褐色の大小さまざまな円形パヽンチが散在する。時に互いに融合し一面枯死する場合も見られる。被害程度が軽い場合は、半月程で回復してくるが、重症のものは容易に回復せず被害部分の張り替えを余儀なくされる。
芝草の地上部は白色枯死し、被害葉には褐色や黒色のケシ粒大のほぼ球形の菌核が見られる。褐色の菌核が見られる場合は褐色小粒菌核病、黒色の菌核が見られる場合は黒色小粒菌核病である。
黒色小粒菌核病の菌核は大きさがほぼ均―であるのに対し、褐色小粒菌核病の菌核の大きさは、かなり小さいものから比較的大きなものまで変異が見られる。また、両菌核病とも秋になると褐色小粒菌核病は桃色の、黒色小粒菌核病は白色の、共にこん棒状の子実体(きのこ)をつくるがあまり頻度は高くない。
一方、紅色雪腐病は菌核を作らず、円形パッチの周辺がやや桃~紅色がかってみえるので、これも診断は容易である。
褐色雪腐病は菌核を作らず、パッチ全体がゆでたように見え根部まで腐敗する。雪腐大粒菌核病は黒色の比較的大きな菌核を作り、菌核の大きさで黒色小粒菌核病と区別できる。

発病条件

本県での発生分布を見ると、褐色、黒色両小粒菌核病の混発が多いが、どちらかの菌核病が完全に優占しているゴルフ場や、一つのゴルフ場でも場所により発生種が異なる場合が比較的多い。紅色雪腐病の発生は、前二種類の小粒菌核病より少ないが、ゴルフ場によっては三種の雪腐病類が混発している事例も見られる。また、従来積雪がないと発生しないと言われてきた紅色雪腐病が、無積雪地帯でも発生するとする報告があり注目される。
褐色雪腐病は、湿度の高い雪が降る地域で、特に排水不良の場所に発生する。北陸地方、山陰地方及び北海道で問題とされている。雪腐大粒菌核病は主に北海道の一部地方で問題になっているが、本県の中にも気候的には似通っている地域もあり、発生の可能性は否定できない。

防除方法

防除は根雪前に数回、グリーンやティーに限り散布しているのが一般的であるが、根雪の時期が予想しにくく防除のタイミングが難しい。散布適期に幅のある薬剤もあるが、薬剤によっては一部の病原菌に効果の劣るものがあるので、発生している種類を明らかにし、薬剤の選択を誤らないようにすることが必要である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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