農作物病害虫データベース

スジキリヨトウ(芝/シバ共通)

スジキリヨトウ

スジキリヨトウは夏から秋にかけて、大面積が急激に枯れるなどの顕著な被害を起こす。幼虫は地際部に生月、するため、発見が遅れがちで、これが大きな被害につながる。長野県内では標高1,000m前後のゴルフ場で発生が多い。

被害と診断

幼虫は、日本芝および洋芝の葉や茎部を摂食する。
若齢幼虫は葉をすじ条に摂食し、斑点状~線状の食痕を残す。その際、幼虫は葉に穴を開けることなく、反対側の葉皮を残すため食痕は白くなる。若齢幼虫による加害は草丈の長い葉の先端部に多い。また、被害は集中的に起こるため、芝がスポット状に自変し、遠目には病斑に間違えやすい。
中齢以降は地際部に潜り込み、葉の基部を摂食する。被害部の芝をかき分けると細かいさいころ状の虫糞が発見できる。被害は主に8月下旬~9月に発生し、コース脇の樹木や潅木の周辺から広がることが多い。多発した場合には地上部が食べ尽くされて褐色になるが、根部は加害されないため、芝が枯死することはない。
成虫は体長約13mmの蛾。体色は淡い灰褐色が基調で、複雑な斑紋がある。雄の触角は両櫛葉状、雌では糸状。
老熟幼虫の体長は約25mm。体はかなり大い円筒形で頭・尾部がやや細まるずんぐり型。若齢幼虫は緑色で体側に濃緑色の斑紋が並ぶ。中齢以降は暗褐色が基調になるが、一部は緑色のままの個体もいる。各体節の側部には三角形の黒紋が並び、良く目立つ。若齢幼虫以外は動きがやや鈍く、触ると丸まる。
卵は卵塊で産卵され、卵塊の表面は母蛾の淡黄褐色の体毛で覆われている。卵塊内の卵数は50~ 150個、まんじゅう型で表面に放射状の紋がある。

発生生態

1年3世代が主体。幼虫で越冬する。耐冷性は高い。
通常成虫は5月下旬~6月中旬、 7月上旬~中旬、 8月上旬~9月下旬の年3回発生する。ただし標高の低いところでは9月下旬頃に4回目の発生がある。世代が進むとともに発生量が増え、第3世代幼虫が被害を起こす。
成虫の寿命は約1週間、灯火によく飛来する。成虫は芝草、周辺の樹木や潅木の幹、葉先などに産卵する。卵期間は春、秋で7~ 8日間、夏季で3~ 4日間。幼虫は約1か月で6齢を経て老熟する。老熟成虫は芝の地際、あるいは土中に浅く入って蛹になる。
蛹期間は7~ 10日間。

防除方法

1.成虫発生期に芝の刈り込みを行うと、産卵防止効果、卵や若齢幼虫に対する防除効果がある。
2.分散前の若齢幼虫は、樹木や周辺のラフに発生が多い。芝の葉先が食害されて自く見える部分を目当てにその周辺を防除すると、少ない薬量で高い効果が得られる。
3.予察灯やフェロモントラップを利用して発生状況を把握し、多発が予想されるときには若齢幼虫期に発生場所周辺の防除につとめる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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