農作物病害虫データベース

イナゴ(普通作物/イネ)

イナゴ

日本にいるイナゴは6種類ほど知られており、県内にはコバネイナゴとハネナガイナゴの2種類がいるが、通常見かけるのはコバネイナゴの方である。本種は戦後の一時期は佃煮の材料にも困るほど減少したが、1980年代から徐々に密度が回復し、最近は多発傾向が続いている。

被害と診断

6~ 7月にかけて、まだ小さいイネ株が孵化幼虫(体長約5 mm)に集中加害を受けると、水面から上の部分がほとんど食べ尽くされてしまう場合がある。しかし、むしろ成長して食害量が増えた成・幼虫が、上位葉を加害するための登熟への影響が大きい。成虫は移動能力が高く、葉色の濃い水田に集中し易い。

発生生態

イナゴは高温多湿を好みイネ科やカヤツリグサ科の植物を食草としている。秋に水田のイネの株元や畦畔の土中に産卵された卵塊は翌年の6月上旬~ 7月中旬にかけて孵化し、イネや畦畔の雑草を食べて70日程で成虫になる。この害虫は孵化が非常に長期間にわたるのが特徴であるが、その理由は本種の卵が休眠期から産卵直後の卵まで越冬可能で、成虫の産卵も冬間際まで続くため、越冬卵の発育段階のばらつきが大きい点と、代かき等で水中に入った卵が発育休止するためである。

防除方法

水田の代かき後に、刈株の間に産卵されていた卵鞘(茶色の堅いスポンジ状で8× 12mm程度の大きさ)が風下に吹き寄せられているので、これを集めて土中深く埋める等の処分をする。
薬剤防除では孵化が長期間にわたるので、早期に防除するとその後に孵化してきた幼虫がまた加害をするため、防除時期は孵化がほぼ終了する孵化初めから1カ月後(7月中旬)頃になる。また、この時期は畦畔近くに集中しているので、散布は畦畔から2~ 3m以内でよい。 7月下旬以降になって中齢以上に成長した幼虫は、移動力が大きいため1筆単位で防除をしても薬剤の効力切れに伴って周辺ほ場から侵入して来る。そのため広域で一斉に防除を行うことが必要になる。
本種は幼虫の発育が進むのに伴い、殺虫剤の防除効果が極端に低下するため、多発ほ場では3齢(体長約12mm)までの内に防除する必要がある。
防除の目安は、新潟県の「8月以降の密度で株当たり1頭、 7月上旬(孵化盛期)の畦畔際捕虫網20回振で100頭以上を要防除」。さらに山形県や千葉県の「出穂前捕虫網20回振で100頭程度」との基準が参考になる。

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