農作物病害虫データベース

ダニ類(きのこ/きのこ共通)

ダニ類

病徴と診断

●ケガナコナダニ(コナダニ科)
ケナガコナダニは体長が0.5mm前後(雌)で、肉眼で観察すると乳自色で粉粒のようである。特別なダニではなく、身の回りに一時的に存在し、畳や多くの食品からの発生が報告されている。薬剤に対しては他のダニ類に比べて感受性が低く、薬剤の効果が低い。

●サジボウヒナダニ(ヒナダニ科)
サジボウヒナダニの体長は
0 2mm前後(雌)で、ケナガコナタニより小さくて細長い。肉眼での確認は困難で実体顕微鏡を利用する。主に土壌中や動物の糞、双翅目昆虫の体表に見出される(黒佐)。

発生条件

ケナガコナダニの生活史は、以下の通りである。卵→幼虫(3対の脚)→ 前若虫(4対の脚)→ 後若虫→ 成虫(雌、雄)。発生日数は25° Cで12.6日、繁殖適温は25~ 28° C、最適湿度は75~ 85%、湿度60%以下では繁殖できず、47~ 50%で
死滅する。 1匹あたり1日12~ 1311Alの卵を産んでねずみ算的に増えて短期間で大発生する(芝)。きのこ栽培では大発生時に古い培地から這い出して、新しい培地へ移動する。この時にトリコデルマ属等の害菌を運んで問題となる。培養室はダニ類の繁殖に最適な温度、湿度で、餌があり、さらに培養ビン内は急激な温度、湿度変化が少なく格好な生息場所となる。また、グニの発生は、 6~ 7月が最も多く、湿度が大きく影響しているものと考えられる。

防除方法

大発生を未然に防ぐには、温度、湿度、餌のいずれか一つを発生に不適な条件にする。栽培管理上、温度、温度の条件を変えることはできないが、EIfとなる害菌の発生を防ぐことは可能である。培養室での高湿度管理を避け、害菌発生の巣となる塵や培地暦などの持ち込みを防ぎ、定期的な清掃を行う。
また、培養室の多湿状態(80%以上)が長く続くと、室内にダニの餌となるトリコデルマ属等の発生が心配されるので注意する。木製のパレットにトリコデルマ属等が発生し、棲みついているケースも多い。木製の場合、前もってクレオソート等で防腐処理し、ガス抜きを十分行ってから使用する。なお、プラスチック製等のパレットも販売されているので、これらを利用するのも良い。発生後の対策としては、培養室を一時空にし、徹底的に清掃してから薬剤処理を行い、よく乾燥させる。この時は、 くん煙剤の方がダニと薬剤の接触もれが少なく有効である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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