農作物病害虫データベース

斑葉病(普通作物/ムギ類)

斑葉病

本病は古くからみられ、麦作の重要病害であったが、水銀剤による種子消毒の普及で一時姿を消したかに見られた。しかし、水銀剤の使用禁止以後は再び増加傾向にあったが、近年はほとんど発生が見られない。

病徴と診断

一般には麦が15cm内外に伸びた4月上旬ごろから病徴を現し始めるが、注意深く観察すると、発芽後間もない幼苗にも葉脈にそって褐色の条斑がみられることもある。葉身および葉鞘に発病するが、最初は淡黄色または黄白色の条斑ができ、後に黄褐色、さらに灰褐色または暗褐色となり、この上に多数の分生胞子を形成して、表面はビロード状を呈する。被害株の生育は遅れ、草丈は低く、穂は抽出しても奇形で、株全体が枯死する。本病と病徴が似ているものに条斑病があるが、条斑病は後期になっても黄色~やや褐色を帯びる程度にとどまり、黒色の分生胞子をつくることがない。

発病条件

カビによって起こる病気で、茎葉の病斑上には出穂期ころになると黒褐色スス状の分生胞子を生じる。この分生胞子は風などによって開花期に頴の内部に運びこまれて果皮などに侵入、ここで抵抗力の強い休眠菌糸となって夏を越す。また種子についた分生胞子はそのまま越夏する。このような保菌種子が発芽すると病原菌は子葉鞘などを侵し、順次内側の葉の基部を侵す。葉が展開すると菌の存在する部分に条斑を生じる。このように伝染は種子による場合がほとんどで、生育中新たに伝染することはない。品種により発病に差がみられ、また二条オオムギ(ビール麦)は発生が多い。発芽時の地温によって病原菌の感染は大きく左右され、10~ 15℃ で感染が多く、20℃ 以上では発病しなくなる。このため播種期の遅れたものに発生が多い。コムギを侵すことはない。

防除方法

1.発生した圃場からは採穂しないこと(無病種子を用いる)。
2.播種期が遅れないようにする。
3.種子消毒は必ず行うこと。薬剤防除以外では次の方法による。
①風呂湯浸法:風呂湯が44~ 46℃ の温度になったら火を止めて種子を浸漬し、ふたを3~ 4 cmあけて順次温度が下がるようにする。10時間ほど浸漬する。
②冷水温湯浸法:あらかじめ6時間冷水に浸した種子を、温湯50℃ に2~ 3分間予浸後、直ちに54℃ に5分間浸漬し、直ちに水で冷やす。温度と時間を厳守すること。

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