農作物病害虫データベース

ダイズシストセンチュウ(普通作物/ダイズ)

ダイズシストセンチュウ

ダイズシストセンチュウはダイズ、アズキ、イングンマメなどマメ科植物の根に寄生する。被害は圃場内の一部に坪状に現れ、地上部の生育が抑制され、葉が黄化することから「月夜病」とも呼ばれる。雌成虫は被害株の根に付着した状態で体内に卵を宿したまま死亡する。この死骸をシストといい、名前の由来である。長野県における被害は火山灰地帯に圧倒的に多く、また沖積地帯にも近年発生が多くなった。

被害と診断

ダイジシストセンチュウが寄生したダイズは播種1か月半ころから生育が遅れ、葉色も薄くなる。その後しだいに黄化して明るく透けるように変色するため、圃場外からでも容易に確認できる。センチュウ密度が高い圃場では着莢数が著しく減少し、減収する。被害が回場全体に均一に発生するのは稀で、数十株が丸く、あるいは耕転した方向に広がって発生する。根は直根が伸びず、注意して観察すると根の表皮に黄白色~褐色の直径約0.5mmの微少なシストが付着している。また、マメ科植物に不可欠な根粒細菌による根粒の発達が著しく劣っている。

発生生態

1年4世代。寄主植物の根から土中に脱落したシスト内で卵で越冬する。 4月下旬~ 5月上旬頃からふ化し、卵内で脱皮し、第2期幼虫がシストから出て寄主の根に侵入する。根内に定着した幼虫は寄生根を移動することなく、 3回脱皮して成虫になる。雌成虫は次第に肥大してレモン型になり、さらに成熟、蔵卵すると根の表皮が破れ頭部を根内に残したまま虫体が露出してシストになる。雄成虫はセンチュウの名のとおり体長1.3mmのミミズ型で土中を移動して雌と交尾する。

防除方法

1.的確な防除薬剤がないうえ、シスト内の卵は数年間生存が可能であるため、一度発生すると防除が困難である。センチュウ密度の抑制や耕種的被害回避、品種選択で対応するのが現実的である。
2.センチュウ密度を高める最大の要因が連作であることや、寄主範囲が狭いことから、豆類以外と組み合わせた輪作を行う。また同一品種の連作も避け、できれば抵抗性品種を組み入れる。
3.センチュウは風、流水等の要因の他に、農機具に付着して伝播するケースも多いので、発生回場で使用した農機具は良く洗浄する。
4.開花直前に生育の悪い部分に追肥として粒状石灰窒素を10アールに20kg株元に施す。殺センチュウ効果とあわせダイズの生育を回復させることにより、減収をある程度回避できる。
5。有機質を十分投与することで、根圏の微生物相を豊富にし、センチュウの多発を抑える土作りを心掛ける。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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