農作物病害虫データベース

腐らん病(果樹/リンゴ)

腐らん病

リンゴ栽培の根幹をゆるがす恐ろしい病気である。長野県では昭和40年代後半に大発生したことがある。防除対策はある程度確立されているが、薬剤散布のみでは完全な防除ができず、栽培管理のどこかに「手ぬき」があると発生して大きな被害をもたらす。

病徴と診断

リンゴ樹の幹や枝に発生する。太い幹に発生するものを「胴腐らん」、 2~ 5年生の枝に発生するものを「枝腐らん」という。また、「ふじ」などで摘果した後の果台部に残された果柄から感染して発病する枝腐らんもある。
胴腐らん、枝腐らんともに発病の初期は樹皮の一部が水ぶくれのようになる。この部分を手でこすると表皮がはがれる。樹皮は腐っていて、アルコールのような臭いがする。病斑は6月頃まで急速に拡大し、枝や幹の周りを一周すると、病斑から上の部分が枯れる。新しい病斑には5月頃から黒色の小さい点々ができる。この点々は子座というもので、中に柄子殻や子のう殻が作られる。柄子殻の中には柄胞子(伝染源の一つ)が入っている。雨水などで病斑が湿ると柄子殻からは黄色い糸くずのようなものが吹き出す。これは胞子角とよばれ、柄胞子の回まりである。
夏期の病斑は乾燥状態になって、健全な部分と比べるとやや陥没している。秋期に再び病斑の拡大が見られ、この頃子座の中に子のう殻が作られ、子のう殻の中には子のう胞子ができる。

発病条件

本病はせん定痕や摘果した後の果台部に残された果柄など、 リンゴ樹にできた傷口から感染する。伝染源は柄胞子と子のう胞子である。柄胞子は雨滴とともに分散し、子のう胞子は雨などで病斑が濡れると空気中に放出される。これら胞子がリンゴ樹の傷口に達すると感染し、 1年近くの潜伏期間を経たのち発病する。

防除方法

一番確実な防除方法は病斑を見つけしだい直ちに除去することである。病斑を除去せずに放置しておくと、病斑部分が大きくなるばかりでなく、柄胞子など伝染源をまき散らす元になり、被害を増大させる。
胴腐らんは病斑周辺の樹皮の健全な部分を含めてナイフなどで削り取り、塗布剤を塗る。削りかすは必ず焼却するか土中に埋め、ほ場内に残さない。また、病斑部が幹を一周した樹は伐採し、枝腐らんは見つけしだいせん除して焼却する。さらに、感染を予防するため、せん定によりできた切り口には塗布剤を塗る。
本病の薬剤散布による防除時期は樹に傷ができるせん定後(休眠期)、摘果後、徒長枝切り後などである。また、他の時期においても薬液を枝や幹に十分かかるように散布する。ただし、病斑の除去などの処置をしないで、ほ場内に伝染源が蔓延してる状況では、いくら薬剤散布をしても「焼け石に水」となり本病を減らすことはできない。
また、衰弱した樹は感染を受けやすいので、樹勢を健全に保つように栽培管理を適切に行う。

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