農作物病害虫データベース

黒星病(果樹/リンゴ)

黒星病

欧米では古くからリンゴの最も重要な病害とされている。果実での被害が大きく、腐敗させることはないが、外観を損ね商品価値を著しく低下させる。

病徴と診断

主に葉や果実に発病し、ときに新梢や芽のりん片をおかすことがある。
葉では表と裏の両方に病斑ができる。葉表の病斑は、はじめぼんやりとすすけた黒緑色の斑点としてあらわれ、不規則に拡大してビロード状になる。病状が進むと病斑部分は表側に盛り上がり、脱落して葉に穴のあくこともある。 1枚の葉に多数の病斑ができると、葉が波を打ったようになる。一方、葉裏の病斑は周囲がぼやけたすす状をしており、葉表の病斑のように盛り上がったり、穴があいたりすることはない。
果実では、幼果のときに感染すると、はじめ小さい黒色の病斑を生し、後に拡大して暗褐色となる。病斑部分は肥大成長が抑えられるので、果実の肥大にともない果形がゆがみ、ひび割れが生じて裂け目となる。果実は大きくなるにしたがい感染を受けにくくなるが、肥大が進んだ果実に感染した場合は、灰褐色でかさぶた状の病斑になる。被害は果実の表層だけで、果肉まで侵されることはなく、果形がゆがむこともない。

発病条件

本病の第1次伝染源は被害落葉で作られる子のう胞子が主体で、雨が降ると飛散する。飛散する量は開花前頃から多くなり、開花期を中心にひとつのピークを迎え、以後6月いっぱいまで雨の降るたびに飛散する。このように、子のう胞子は雨が降らないと飛散しないため、 リンゴの生育初期に雨が少ないと本病の発生は少ない。また、飛散は日中に多く、夜間の雨ではほとんど飛散しない。芽のりん片などの前年にできた病斑で作られる分生子も第1次伝染源になることがある。
1次感染で発病した病斑上には分生子が多数作られる。この量は子のう胞子の量よりも圧倒的に多いので、ひとたび1次感染が起こると、以後は雨や風で飛散した多量の分生子で2次感染が繰り返され、急激に病勢が進展し防除も困難になる。なお、分生子は昼、夜の別なく飛散する。
子のう胞子や分生子が感染するには、葉や果実が一定時間以上濡れ続けている必要がある。つまり、伝染源が葉や果実に付いても、濡れ時間が短いと感染しない。感染に必要な濡れ時間はその間の温度によって異なるが、葉の場合で平均気温5℃ では30時間以上、10~ 14℃ では10~ 14時間、15~ 20℃ では9時間である。ただしこれは最短の時間なので、多発にはもっと長い濡れ時間が必要となる。

防除方法

子のう胞子による1次感染を阻止することが最も重要である。本病に対しては効果の高い薬剤があるので、子のう胞子の飛散ピークとなる開花期前後が最も重要な防除時期で、必ず薬剤を散布する。落花期以降も6月いっぱいまでは10日から14日間程度の間隔で薬剤を散布する。

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