農作物病害虫データベース

ハマキムシ類(果樹/ナシ・モモ・リンゴ・果樹全般)

ハマキムシ類

リンゴ、ナシ、モモ、スモモなど、バラ科果樹を加害する主な種はリンゴコカクモンハマキ、 トビハマキ、アトボシハマキ、 リンゴモンハマキ、カクモンハマキ、 ミダレカクモンハマキなどである。前4種は年2回以上発生する多化性で、後2種は年1回の発生である。この中で、 リンゴコカクモンハマキが優占種で、ブドウも加害する。

被害と診断

芽、花、葉、果実を食害する。幼虫は発芽10日後頃から出現し、芽に侵入して食害する。開花期から落花期にかけては伸びだした花そうや新梢の葉をつづって食害する。 6月から7月にかけては、主に伸長している新梢先端の葉をつづる。果実が肥大し果実に葉が触れるようになると、この間に入って果実を浅く食害する。この被害果はナメリ果と呼ばれ、ハマキムシ類による被害の中で最も実害が大きい。
優占種であるリンゴコカクモンハマキは、老熟幼虫の体長が約17mm、成虫の翅の開張は14~ 22mm程度である。

発生生態

リンゴコカクモンハマキは長野県では年3回発生が普通である。幹や枝の裂け目、枝の切り口、粗皮下などで主に2~3齢幼虫で越冬する。越冬後の幼虫は発芽5~ 10日後頃から移動を始め芽の中に食入し、更に花そう、新梢を食害する。越冬世代成虫は平地では通常5月下旬~6月上旬に出現する。卵は葉に50~ 150粒の卵塊で産む。幼虫は主に伸長している新梢の先端葉を糸で綴って寄生する。第1世代成虫は7月中・下旬に、第2世代幼虫は7月下旬~ 8月中旬に発生する。第3世代成虫は8月下旬から9月上旬に出現し、この幼虫が9月上旬から発生して2、 3齢に成長して越冬に入るが、成長の早い個体は9月下旬~10月上旬頃成虫となって4回目の発生となることもある。なお、南信地方では第1、 2世代に発生が遅れ、第1世代成虫は7月下旬、第2世代成虫は9月に発生する。
トビハマキとアトボシハマキはほぼ年2回の発生である。両種の発生はそれほど多くないが、 トビハマキは時々発生が問題になる。 ミダレカクモンハマキは年1回発生で、幹や枝に産み付けられた卵塊で越冬し、成虫は6月下旬~ 7月上旬に発生する。

防除方法

中齢以上の幼虫は巻いた葉の中にいるので、薬剤がかかりにくく防除効果が上がらない。葉裏に寄生している1、 2齢期の防除が効果的である。この時期は成虫の発生最盛期から約2週間後くらいになる。成虫の発生時期は地域や標高の違いで差がある。主要種のリンゴコカクモンハマキについてはフェロモントラップがあるので、これを用いてそれぞれの地域の成虫の発生消長を確認し、防除適期を把握する。
リンゴコカクモンハマキなどの越冬幼虫の多い場合は、花の被害が甚大になり着果不足になる。発芽5日後を中心に開花前に殺虫剤を散布する。

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