農作物病害虫データベース

シンクイムシ類(果樹/ナシ・モモ・リンゴ・果樹全般)

シンクイムシ類

幼虫が果実を加害するので、果樹では最も重要な害虫である。モモシンクイガとナシヒメシンクイが主体で、モモシンクイガが優占種となっている。モモシンクイガはリンゴ、ナシ、モモ、マルメロなどの果実を加害する。ナシヒシメシンクイは上記の果樹の他スモモ、アンズの果実などと、ほとんどの果樹の新梢に寄生する。

被害と診断

モモシンクイガ:果実だけに寄生する。産卵はほとんど、がくあ部にされ、幼虫もこの近くから果実に食入する。幼虫の食入部位からは当初果汁が出て、これが涙状に固まる。幼虫は果肉部を不規則に食害し、やがて果心部を食害する。最終齢になると果面まで孔道を開けて脱出するが、この孔道は針を刺したように直線的に果心部に達するので、ハリトオシの別名がある。果実にのみ産卵するので有袋栽培では被害が出ない。雌成虫の翅の開張は約18mmで、老熟幼虫は体長約12mm位になる。
ナシヒメシンクイ:果実への食入部位はモモシンクイガより広範囲であるが胴部から下に多い。食入部には前種同様に涙状の果汁の塊ができる。果実内の食害状況から前種と区別しにくいが、モモシンクイガのように果肉部全体を食害することは少ない。新梢にも先端部に寄生し、先端が枯れる「心折れJと呼ばれる被害をだす。心折れはモモ、ウメなど核果類で多いので発生の目安になる。
また、有袋栽培で被害が出たら本種と見てよい。成虫の翅の開張は約12mmで、前翅の前緑に7対の白い短線がある。老熟幼虫は体長約10mmである。

発生生態

モモシンクイガ:平地では年2回発生するものと1回発生のものが混在し、標高の高い所では年1回発生が主になる。越冬は老熟幼虫が土中に扁円形の冬繭を作って行う。越冬幼虫は6月頃から冬繭を脱出し、地表近くに紡錘形の夏繭を作って蛹になる。成虫は平地では6月上旬から出現し、 7月上・中旬が発生最盛期となる。幼虫の果実からの脱出は7月下旬頃から始まり、地面に落ちて地表近い土中で夏繭を作って蛹になるが、 8月上旬頃からは冬繭を作る個体も出現する。第1世代成虫は8月上旬から発生し、 8月下旬が最盛期である。
ナシヒメシンクイ:平地では年4回、標高700m以上で3回発生する。越冬は老熟幼虫が樹皮下や枝の隙間に粗繭を作って行う。
越冬世代成虫は平地では4月下旬~ 5月上旬に発生する。産卵は果実がまだ無いので新梢先端部にされ、新梢内を食害して心折れ被害となる。第1世代成虫は6月下旬、第2世代成虫は8月上旬、第3世代成虫は9月上旬を中心に発生する。第1世代成虫以降の産卵は主に果実にされるが枝や葉にもされ、ふ化幼虫は果実に移動して食入するので有袋果でも被害がでる。

防除方法

モモシンクイガでは有袋にすると被害が防げるが、ナシヒメシンクイは防げない。被害果は早めに採取し、土中深く埋めるか、ビニール袋に入れ水浸しにさせる。
薬剤による防除は両種ともに卵、食入前のふ化幼虫を対象に、成虫の発生期を中心に行う。

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