農作物病害虫データベース

キンモンホソガ(果樹/リンゴ)

キンモンホソガ

幼虫が葉の中に潜って加害する害虫である。 リンゴの他にカイドウ、マルメロ、カリンにも寄生する。長野県では昭和30年代から発生が多くなった。
被害葉は同化作用が低下し果実の品質(着色)や収量に影響する。

被害と診断

幼虫が葉の中に食入し葉肉を食べる。 1~ 3齢幼虫には脚がなく無脚幼虫期、 4~ 5齢になると脚がある有脚幼虫期という。無脚幼虫期は、葉裏の表皮の内側部分に寄生し、葉肉の組織から汁液を吸うように加害する。寄生部は葉裏の表皮が浮き上がって火膨れ状になるが、葉表からは確認できない。有脚幼虫期になると口器が発達し、葉肉を食べるようになる。
食害は葉表の表皮のすぐ内側まで及ぶので、葉表からも点状の食痕がみえ、この部分が紡錘状にやや盛り上がる。また、葉裏の表皮はひきつり状になる。同化作用が阻害されるので、寄生が多いと果実の肥大や着色、味に影響する。また、秋には落葉が早まり、晩生種の「ふじ」等では影響が大きい。

発生生態

長野県の平地では年5回発生であるが、標高の高い地域では4回発生になる。越冬は落葉の中で蛹でする。越冬世代成虫は早ければ3月下旬から出現するが、最盛期は4月中旬である。第1世代成虫は6月上~中旬、第2世代成虫は7月上中旬、第3世代成虫は8月上旬~下旬、第4世代成虫は9月以降に発生する。第2世代成虫以降は発生が重なり合い世代の区切りがはっきりしない。発生量は第1、 2世代では少なく問題になるほどの発生はないが、第3世代以降は急激に多くなる。
本種にはキンモンホソガトビコバチ、ヒメコバチ類、ホソガサムライコマユバチなど10種以上の寄生蜂(天敵)が知られている。このうちキンモンホソガトビコバチはキンモンホソガだけに寄生し、ヒメコバチ類とホソガサムライコマユバチは他のハモグリガ類にも寄生する。これら天敵の寄生による死亡率は高く、第4世代と越冬世代では90%以上になることも多く、第1、 2世代の発生が少ない原因にもなっている。

防除方法

薬剤による防除は急激に増加する第3世代を抑えるのが効率的である。食入してしまった幼虫に対して有効剤が無いので、ふ化した幼虫が葉に食入するのを防ぐ、食入阻止の方法がとられている。この防除適期は6月下旬から7月上旬である。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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