農作物病害虫データベース

黒とう病(果樹/ブドウ)

黒とう病

古くから知られている病害である。発病が激しいと新梢が枯れ込む。このほか落葉したり、奇形果から裂果が発生するなどの被害が生じる。

病徴と診断

葉、葉柄、新梢、蔓、巻ひげ、穂軸、果梗、果実などのあらゆる若い軟弱な組織に発病する。葉では初め黒褐色の小さい斑点が多数現れ、後に拡大して中央部が灰白色、周辺部が暗紫色の病斑となる。やがて病斑部は枯死して穴があく。また、中肋や葉脈に沿って発病することが多く多発した場合は葉が奇形化する。
葉柄、蔓、巻ひげ、穂軸などの病斑はみな類似している。初め円形、黒褐色の小斑点で、次第に拡大して多少陥没し、中心部は灰白色から褐色、周辺部は黒褐色となる。大きさは2~ 5 mm前後である。病斑は融合してはなはだしい場合は全面が黒変して枯死することがある。
果実では、開花期に発病すると花が黒褐色になって枯死する。大豆大までの幼果に発病すると、初め黒褐色の小さな斑点であるが、その後2~ 5 mm前後の円形で少し陥没した病斑になる。中央部は灰白色で、外部は暗褐色で、その周辺は鮮紅色から紫色の輪帯で緑どられ、鳥の目のような斑点になる。病斑部は軟化腐敗することなく、逆に硬化し、肥大しないため果実は奇形化する。
枝や巻ひげなどでは、黒褐色の陥没した病斑を作り、葉では小さな穴があき、果実では鳥の目のような斑点となるので、肉眼観察で容易に判定できる。

発病条件

病原菌は枝や巻ひげの病斑で菌糸の形態で越冬する。
越冬病斑は黒褐色で容易に識別できる。
越冬部では展葉間もない4~ 5月頃から胞子を形成し、伝染源となる。胞子は雨滴によって伝染し、新梢や葉に伝搬して表皮から侵入感染する。病斑部では、数日を経て胞子を形成して2次伝染を繰り返す。
春先冷涼多雨の年に発病が多く、さらに梅雨が長引く年は被害が大きくなる。 7~ 8月の高温乾燥期には樹の抵抗性が高まることもあって発病しなくなる。なお、本病は降雨によって伝染するので、施設栽培では発病しない。
発病は品種によって差があり、欧州系品種は発生しやすい。本県では醸造用品種の「竜眼」が最も弱く、「巨峰」、「デラウェア」は中間的である。「コンコード」は強い。

防除方法

新植するときは無病苗を植え付ける。苗木に病斑があると、植え付け当年の発病が多く、その後も多発を招くことになる。
発芽前に薬剤防除を実施する。薬剤で枝幹を洗うように十分量を散布する。発芽後は梅雨明けまでの防除が重要で予防散布に重点をおく。

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