農作物病害虫データベース

根頭がんしゅ病(クラウンゴール)(果樹/ブドウ)

根頭がんしゅ病(クラウンゴール)

主幹や枝にこぶ状のがんしゅを生じて樹勢の衰弱を招き、時には枯死させる。凍害が誘因になるので、寒冷な栽培地で発生が多い。1984年の厳冬年には、若木が枯死するなど大きな被害が発生した。

病徴と診断

主幹や棚上の主枝、側枝、結果母枝に発生するが、主幹下部の発病が多い。根での発生は少ない。発病は5月ころから始まり、 6~ 7月に明瞭となる。表皮下に粟粒状のがんしゅを連生し、この病患部を削ると緑白色を呈する。発達すると大きなこぶとなって次第にボロボロに崩壊し、養水分の流通を妨げる。若木では主幹に発生して枯死することがあり、被害が大きい。
樹齢が古くなるにしたがって主幹の発病は少なくなるが、棚上に発病し、枝の伐採によって樹形の維持や樹勢の調節が困難になる。

発病条件

病原細菌はブドウ栽培歴のある土壌中に広く生息しており、根の傷、挿し木の切り口などを通して感染する。感染した細菌は維管束を通って上部に移動し、樹体内の広い部位に達する。保菌していても発病しない場合が多いので、このような樹から採取した穂木を使って生産した苗木が流通すると、広く伝搬する。
維管束内を移行した病原細菌は植物組織が負傷するとその細胞に付着し、病原菌の遺伝子が植物細胞に組み込まれる。感染を受けた植物細胞は植物ホルモンを多量に生産するようになるため、組織は無秩序な増殖を繰り返し、がんしゅを形成する。負傷の主な原因は凍害によるため、凍害を受けると発病しやすい。
品種の抵抗性は明瞭で、「巨峰」、「ピオーネ」、「甲斐路」、「ネオ・マスカット」などは発病しやすく、「デラウェア」、「ナイアガラ」、「甲州」ではほとんどみられない。主要な台木品種は抵抗性である。

防除方法

薬剤による防除は効果が期待できない。耕種的な対策として、①発病樹から採穂しない、②適正な施肥、枝梢管理、着果管理を行って耐凍性を向上させる、③冬期間(12月~翌3月)、主幹部にワラを巻く、④台木長が1~ 1.5mの位置で高接ぎする、⑤常発地では抵抗性の強い品種を栽培する、などの手段を講じて発病を回避する。なお、アグロバクテリウム・ラジオバクターK84による生物防除は、プドウの根頭がんしゅ病には効果がない。
=他の果樹類での発病=
リンゴ、ナシ、モモ、オウトウなどの果樹類やバラなど多くの双子葉植物に発病する。これらの植物では、根(主に地際の根頭部)に発病し、地上部に発病するプドウの場合と大きく異なる。
根頭部に径10~ 20cmほどのがんしゅを生じ、慢性的な樹勢衰弱や枯死を招く。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

  • 農業試験場
  • 果樹試験場
  • 野菜花き試験場
  • 畜産試験場
  • 南信農業試験場
  • 水産試験場
  • 病害虫図鑑
  • 研究課題の募集
  • 視察研修の受け入れについて
  • 研究成果
  • スマート農業
Copyright © Nagano Prefecture. All rights reserved.