農作物病害虫データベース

ブドウネアブラムシ(果樹/ブドウ)

ブドウネアブラムシ

別名「フィロキセラ」、「ブドウフィロキセラ」と呼ばれ、アメリカからの侵入害虫であるが、耐虫性台木の導入で抑えられるようになった。日本では明治18年に輸入した苗で初めて発見され、その後国内の主産地に分布を拡げた。

病徴と診断

一般的に砂地や傾斜地等の乾燥するほ場に多く発生する。成虫の体長は約1mm、体色は暗黄色で根部と葉に寄生する。根部では細根の表面のくぼみに寄生する。寄生をうけた根は瘤状にふくれ、正常に生長できなくなる。そのため樹勢は衰弱し、収量が極端に減少する。寄生が多くなると主幹部から多数の根が発生し、甚だしい場合は枯死することがある。一方、葉に寄生すると、葉裏に葉瘤ができ黄変し発育が阻害される。長野県では根部での被害が見られ、葉の被害はほとんどみられない。

発病条件

根部で生活する根瘤型と樹上で生活する葉瘤型に大きく分けることができるが、その間に有翅型、有性型と称される型があり非常に複雑な生活環をもつ。
根瘤型:地下部の細根を加害する。加害を受けた部位は根瘤となる。細根上で越冬した初齢幼虫から始まり、無翅の雌成虫が単為生殖で卵を産み増殖する。年間9~ 10回世代を繰り返す。寄生は年中みられるが、新根の発生の多い5月と10月に最も発生量が多くなる。老熟幼虫~成虫期にかけては全く移動しない。成虫の生存期間は約4週間で、平均産卵数は110個位である。
葉瘤型:樹上で越冬した卵から始まり、年間10数世代繰り返す。越冬卵からふ化した幼虫は活発に動き回り、葉に瘤をつくってその中で生活する。葉瘤内で成長した成虫は単為生殖で産卵する。成虫の生存期間は約25日間で、平均産卵量は約200個である。幼虫の一部は地下部に潜って根瘤型となる。
有翅型:根瘤型から生じる。有翅型の成虫は根瘤型の無翅の成虫と異なり非常に移動性が高く、歩行または飛翔して樹上に上り葉裏や粗皮間に産卵する。成虫の生存期間は極めて短く約3日間で、産卵数も少なく1~ 5個である。有翅型の発生は5月から11月まで続くが、 7月から10月が盛期である。
有性型:ネアブラムシの生活の大部分は、雌のみ単為生殖で増殖するが、一時期雄と雌の両性が現れる。この時期を有性型と称している。有翅型雌が産んだ卵からふ化した個体が有性型となる。
この個体は幼虫期がなく、直ちに成虫となり交尾し産卵する。成虫の生存期間は約4日間で盛んに歩行移動し産卵する。葉瘤型の始めとなる樹上の越冬卵は、この有性型が産卵する。

防除方法

耐虫性台木を用いれば被害を受けることがないので、自根樹を栽培しない。現在市販されている接木苗はほとんど耐虫性台木が用いられている。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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