農作物病害虫データベース

せん孔細菌病(果樹/モモ)

せん孔細菌病

モモ栽培における難防除病害である。細菌によって起こる病害で、果実被害や早期落葉が問題となる。風当たりの強い園や地域では特に発生しやすく、近年、発生が拡大している。

病徴と診断

モモのほかアンズ、ネクタリン、スモモにも発生する。葉、枝および果実に発生する。葉では始め葉脈にそって1~ 2mmの不整形水浸状の病斑を形成して後に褐色となり、病斑部はせん孔する。多発した場合は早期落葉し、樹勢を弱める。落葉は6月から7月下旬にかけて多い。
果実の病斑は針の穴くらいから1cm程の黒褐色不整形で、果肉まで食い込み、病斑部からヤニを吹き出す場合もある。大きな病斑では亀裂をともなうこともある。
枝では落花期頃から前年枝に発生する春型枝病斑(スプリングキャンカー)と6~ 7月に当年枝に発生する夏型枝病斑(サマーキャンカー)がある。病斑はいずれも暗紫色油浸状、楕円~不整形で、古くなると縦にひび割れがはいり、病斑が全周すると先枯れを起こす。

発病条件

病原菌は秋期に新梢の芽や皮部組織に感染し、病斑を形成することなく越冬する。春先から枝の組織内で増殖し、春型病斑を生じて、ここから菌が飛散して葉や新梢、果実に感染する。傷口から感染しやすいので、風当りの強いところでは発生が多い。
落花期~ 7月に降雨が多いと多発する。果実発病は収穫のほぼ1ヶ月以上前の感染によって起こり、以後の感染では発病しない。枝への秋期感染は主に9月の強い風雨によって起こる。従ってこの時期に台風の来襲を受けた翌年には発病が多くなる。

防除方法

多発すると防除は非常に困難となる。薬剤による防除だけでは十分な効果が得られない。肥培管理や耕種的手段を取り入れて総合的に対応する必要がある。
薬剤防除は、開花始めにボルドー液を散布して春型枝病斑からの感染を防ぐ。次いで落花期から7月上旬まで10日~14日間隔で抗生物質剤を中心に予防散布する。また、枝への秋期感染を防ぐため9月中下旬~10月上旬に2~3回ボルドー液を散布する。
薬剤防除のほかに適正樹勢の維持、窒素過多を避けるなど肥培管理にも留意する。また、以下の耕種的防除法を併せて実施する。
1)ほ場の周囲に防風ネットや防風垣を設置する。
2)春型枝病斑は一次伝染源となるので早期に剪除する。
3)果実被害を軽減するため、果実袋を早期にかける。

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