農作物病害虫データベース

コスカシバ(果樹/アンズ・ウメ・スモモ・モモ・果樹全般)

コスカシバ

核果類果樹の他サクラにも寄生する。また、稀にリンゴやナシに寄生することもある。被害部が幹や大枝などの養水分流通の重要な箇所のため、樹勢におよぼす影響は大きく、樹の寿命を制する害虫である。

被害と診断

幼虫が樹皮下に食入し、表皮と木質部の間を食害する。被害は主幹部や主枝等の大枝に多い。春先は食入部から少量の木屑を排出するが、その後は樹脂と虫糞が混ざって出る。食害部は最終的にはかなり広くなり、その部分の表皮はやがて枯死する。寄生量が多いと養水分の流通が妨げられ、樹が衰弱したり枯死に至る場合もある。また、被害部に胴枯病が併発しやすくなる。一般に被害は若木よりも老木で多い。
核果類の樹脂の流出には生理的なものがあるが、これらはコスカシバのように樹脂の中に虫糞が混ざっていないので判別できる。成虫の翅の開張は25~ 30mm、翅脈間は透明であるため「透かし羽」の名の由来となっている。また、腹部に黄色い帯状の模様が2本あるのが特徴でハチに似ている。尾端には房状の鱗毛がある。卵は楕円形でやや平たく、長径0.5mm程度、茶褐色をしている。老熟幼虫は体長25mm位で、頭部は褐色、胴部は乳白色で、背面がわずかに赤みを帯びる。

発生生態

年1回発生である。越冬は幼虫で寄生部である樹皮下で行う。越冬幼虫の発育は不揃いで、このため成虫になる時期も揃わず発生期間が長期に及ぶ。成虫は早いもので6月頃から出現する。その後モモ園ではだらだらと少発生が続き、 8月下旬から9月上旬にかけて発生量が多くなり、10月下旬には終息する。
アンズ園では6月から10月まではっきりした最盛期がない状態で発生を続ける。これは、モモではシンクイムシ類の防除などで、6月から8月上旬頃まで殺虫剤が散布されるため、この期間の発生が抑えられているのに対し、アンズではあまり殺虫剤の散布がされないことが原因と考えられている。
成虫は日中活動し表皮の裂け目、しわ状の部分、傷口等に埋め込むように1卵ずつ産卵する。産卵部位は地上から1m位までの所に多い。幼虫は形成層に食入し、少し食害して越冬に入る。食害は翌春から盛んになる。蛹化は寄生部で行い、羽化時には半身を樹の外に出すので、その場に羽化後の蛹殻が残る。寄生を受けた樹は表皮が荒立ち、さらに産卵場所として狙われ、集中的に寄生を受けやすくなる。

防除方法

早い時期に虫糞排出部の表皮を削り幼虫を殺す。薬剤防除は最低限年1回は行う。モモでは成虫の発生が多くなった直後の9月中、下旬に殺虫剤を散布する。この時期にできない場合は、越冬前の10月上中旬又は越冬後の発芽前に散布する。散布は目通りから下の大枝や幹を重点に十分量を散布する。この他、フェロモン防除も実用化している。

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