農作物病害虫データベース

モモアカアブラムシ(果樹/アンズ・スモモ・モモ・果樹全般)

モモアカアブラムシ

多食性で、農業害虫として一般的なアブラムシである。モモに寄生し、赤色系の体色であるためにつけられた和名である。しかし、体色は赤色のみでなく変化に富む。モモ以外にスモモ、アンズ、ウメ、ナシ等の果樹に寄生するほか、ハクサイ、キャベツ、ダイコン、ジャガイモ、ナス、キュウリ、タバコ、花き類など国内でも100種くらいの植物に寄生する。

被害と診断

体色は赤褐色、緑色、黄緑色と変化に富む。角状管と尾片は体と同色で、角状管の先端はわずかに膨れ黒みがかる。新梢の先端部や若い葉の裏に寄生する。ナシに寄生した場合、葉が縮れることはない。モモ等の核果類に寄生すると葉を不規則に激しく縮らせ、甚だしい場合は落葉する。この場合葉の機能は低下し、新梢の伸長が抑制される。そのため、樹は衰弱し果実の肥大は不良となり、翌年の花芽の形成に影響する。また、排泄物にすす病菌が繁殖し葉や果実が汚れる。モモ等の核果類で最も問題となるアブラムシである。
以前は、本種の被害とカワリコブアブラムシの被害とが混同され、葉を縦に巻く被害が本種の被害とされていた。その後正確に分類され、葉を縦に巻く被害はカワリコブアブラムシによることが判明した。

発生生態

モモ、スモモ等の芽基部や枝のしわの部分に産みつけられた卵で越冬する。ふ化は3月中旬頃から始まり、モモの発芽直後に完了する。ふ化幼虫はすべて幹母と呼ばれる雌成虫になり、幼虫を産出して繁殖する。この幼虫もすべて雌成虫となり、単為生殖で幼虫を産む。このように直接幼虫を産出する雌を胎生雌と呼ぶ。モモやスモモ等の冬寄主上で数世代経過した後、有翅虫が出現し夏寄主であるアブラナ科、ナス科等の野菜や花き等ヘ移動する。モモの樹上で有翅虫がみられるのは5月下旬頃からである。 7月になるとほとんどは夏寄主に移動し、これ以降モモ等の果樹での寄生はみられなくなる。晩秋になると再び有翅虫がモモ等の冬寄主に飛来し、雄雌両性の幼虫を産出する。この幼虫は成虫となり、交尾後越冬卵を産む。

防除方法

ふ化直後の幼虫をねらい発芽前の休眠期にマシン油乳剤を散布する。マシン油乳剤は卵に効果がないので、ふ化がほぼ完了する時期に散布する。モモでは発芽直前がこの時期となる。発芽後の防除は、発生初期に浸透移行性の殺虫剤を散布する。発生量が多くなり葉が巻かれると効果は劣るので、発生動向に注意し、散布時期を失わないようにする。

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