農作物病害虫データベース

黒斑病(果樹/ナシ)

黒斑病

「二十世紀」に特異的に発生が多く、二十世紀栽培は本病との戦いとも言われてきた。年間を通じて発生し、 り病性品種では本病の防除が栽培上最も重要となる。

病徴と診断

葉、花弁、果実、枝のいずれにも発生する。葉では展葉直後から発生し、はじめ黒色円形の小斑点で、拡大して同心輪紋状となる。病斑部分の生育が停止するため葉は波打ったようにゆがむ。若い葉ほど発病しやすく、展葉後一月以上たった葉ではほとんど発病しない。花弁では黒色の小斑点をつくる。幼果では黒色のややへこんだ円形の小斑点がみられ、この病斑は果実肥大が盛んになる6月中旬ごろ、病斑部を中心に亀裂を生じ、この部分に黒色の胞子を多量に形成して落果する。成熟期に近い果実では裂果することなく、黒褐色円形の病斑をつくり、急激に拡大して軟化腐敗して落果する。
枝では5~ 7月ころの緑枝に感染し発病する。黒色の斑点を生じ、のちに拡大し表面はコルク化して褐色のかさぶた状となり、健全部とのさかい目に亀裂を生ずる。

発病条件

品種により抵抗性と罹病性がはっきりしている。長野県で栽培されている主要品種の中では「二十世紀」と「南水」が罹病性であり、一方、「幸水」、「豊水」などは抵抗性である。また、「二十世紀」にγ線を照射して作られた「ゴールド二十世紀」は耐病性で、栽培上問題となるほどは発病しない。
病原菌は枝病斑、病芽などで越冬し翌年の伝染源となる。長野県では4月上中旬ころから越冬病斑上に胞子をつくり、その後生育期間を通して感染をくり返す。高温多湿条件下で発生しやすいため、梅雨期ごろから急激に発生が増加し、特に梅雨が長引くような年に発生が多くなる。
発病の多少には肥培管理との関係もあり、多肥栽培、特に窒素過多になると葉が軟弱となり、徒長枝が過繁茂となって通風が悪く発病しやすい。

防除方法

整枝、剪定に注意し、枝が混み合わないようにして園内の通風をよくする。枝病斑の多い枝や病芽(ぼけ芽)は、剪定時に切り取って処分する。病落果は伝染源となるので、早めに集めて土中深く埋めるなどして処分する。草生園では下草が過繁茂とならないよう早めに刈り取る。多肥栽培をさける。罹病性品種である「二十世紀」、「南水」では全生育期間を通じて本病の防除が必要である。初期防除の徹底をはかり、園内の病原菌密度を上昇させないことが重要である。防疫果実袋の使用により果実被害を軽減できる。被袋時期が遅れると果実感染が多くなるので、袋掛けは遅れないように実施する。
発病が多いところでは、耐病性品種の「ゴールド二十世紀」やその他の抵抗性品種に更新する。

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