農作物病害虫データベース

赤星病(果樹/ナシ)

赤星病

本病はナシ属植物とビャクシン類に、それぞれきわめて特徴的な病徴を示し古くより知られている。病原菌はナシ属の植物上だけでは生活をくり返すことができず、中間宿主としてビャクシン類を必要とする。かつてはナシの重要病害であったが、本病に卓効を示す薬剤が開発、使用されるようになり、近年ではあまり間題とならなくなった。

病徴と診断

ビャクシン類では2月末ごろから鱗葉に赤褐色の冬胞子堆を形成する。この冬胞子堆は次第に大きくなるが、大きさは2~ 3 mm程度にとどまる。4月中旬ごろ冬胞子堆は成熟し、この時期から降雨により水分が供給されると寒天状に大きく膨潤する。膨潤した冬胞子堆内に小生子(胞子)が形成され、これが風によって飛散してナシヘ感染する。ビャクシン類では本病による実害はほとんどない。
ナシでは主に葉に発生するが、多発時には葉柄や果実にも発生する。葉では感染後約10日で黄色の針で突いたような少斑点ができ、次第に拡大して数mm~ 1cmほどの橙黄色の病斑となる。病斑部は少し肥厚して葉裏もふくらみ、 6月に入るころから病斑部の葉裏に、淡灰色で長さ5 mm程度の毛状突起(銹子腔)をつくる。銹子腔の中からは橙黄色の粉状物(銹胞子)を飛散させ、この銹胞子がビャクシン類に感染する。翌春ここに冬胞子堆が形成されそこから小生子が飛散して再びナシに感染する。
果実では病斑部が淡黄色にふくらみ硬化するが、落果せずに収穫期まで残ることが多い。葉柄や果柄に発病するとその部分がふくらんで大きくなり、多くはやがて落葉、落果する。

発病条件

ナシ園の近くに中間宿主であるビャクシン類が存在することが必須条件であり、ナシ園とビャクシン類との距離が短いほど発病しやすい。ビャクシン類のうちでもビャクシン、ハイビャクシン、カイズカイブキに寄生しやすく、タマイブキ、 ミヤマビャクシンでは少ない。樹上につくられた胞子(小生子)は風によって飛散し1.5~ 2 kmは伝搬可能といわれる。
胞子の飛散は風雨によって起こるので、感染時期である開花期ごろから降雨が続くと発病が多くなる。

防除方法

果樹栽培地帯からビャクシン類を除去する。ナシに対する防除適期はビャクシン上の冬胞子堆が成熟し膨潤する時期からで、通常はナシの展葉期ごろからである。その後5月上旬ごろまで胞子の飛散が続くので、この間に7~ 10日間隔で3~ 4回防除する。降雨前に防除を実施すると最も有効であるが現在は治療効果を有する薬剤があるので、これらの剤を用いれば降雨後でも高い防除効果が得られる。

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