農作物病害虫データベース

クワコナカイガラムシ(果樹/ナシ・ブドウ・リンゴ・果樹全般)

クワコナカイガラムシ

ナシ、 リンゴでは昔から防除しにくい重要害虫で、ブドウ、クワにも寄生する。

被害と診断

幹、枝、葉、果実に寄生する。雌成虫は体長4 mm程度のわらじ型で、身体全体が白色のロウ物質で覆われ翅を持たない。雄は微少で有翅のアブラムシと似ており翅がある。各果樹とも有袋栽培で果実被害が特に問題になる。成幼虫とも隙間や粗皮下等、暗いところを好むので、果実に袋を掛けると虫が袋の中に入り果実を吸害する。寄生を受けた果実はその部分が凹み、成熟後に米粒大に青みが残る。また、排泄物がアブラムシ類と同様に甘味を持つため、果実がべとべとしたり、これにすす病菌が発生して黒く汚染する。成虫は袋の中で産卵すると白い綿状の卵のうが果実に付着し、これも品質低下につながる。無袋栽培では被害が少ないが、果実のがくあ部や、こうあ部に寄生を受けることがある。枝では幹の裂け目や空洞の中、大枝の切り口の隙間が住みかになり、寄生が多いと排泄物で付近や下の果実が黒く汚れる。

発生生態

卵のうに包まれた卵で樹皮下や空洞の中などで越冬する。生育速度は気温に大きく依存するため、長野県内では標高により年間発生回数が異なる。南信地方では標高600mを境に、これより低いところでは3回、高いところでは2回である。その他の地域では3回が標準とされている。
越冬卵は年3回発生地帯では5月中旬頃から、 2回発生地帯では5月下旬頃からふ化する。ふ化直後の幼虫は光を嫌わないので葉に移動し寄生する。 2齢幼虫の後半から枝や幹に移動し、光の当たらない所に好んで寄生する。この時に有袋栽培では袋の中に侵入する。第2回目の幼虫発生は3回発生地帯では7月上旬頃から、2回発生地帯では8月上旬頃からである。第3回幼虫は8月下旬頃から出現し、これが成虫になって越冬卵を産む。

防除方法

2齢幼虫以後は身体を覆うロウ状物質が発達するので、薬液がはじかれ薬剤が付着しにくくなるし、薬剤のかかりにくい場所に寄生するようになるので防除効果が劣る。防除の効果的な時期は孵化直後の葉に寄生する時期であるが、ふ化期間が3週間程度と長いため防除適期も限られ、防除のやっかいな害虫である。薬剤による防除は幼虫出現期を中心に行う。
耕種的手法としては9月頃に新聞紙や布を大枝や幹に巻き、越冬卵を産みに移動する成虫を誘い込み、春までに焼却処分する誘殺バンド法が有効である。この方法は他の世代でもできるが効果は少し劣る。また、処分の時期が遅れると、かえって産卵場所を与えることになるので注意する。この他、冬期に粗皮削りを実施したり、空洞などは埋めて生息場所や越冬場所をなくす。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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