農作物病害虫データベース

ウメコブアブラムシ・オカボノアカアブラムシ(果樹/アンズ・ウメ)

ウメコブアブラムシ・オカボノアカアブラムシ

ウメ、アンズとも主な寄生種はウメコブアブラムシとオカボノアカアブラムシ、モモアカアブラムシ、モモコフキアブラムシである。オカボノアカブラムシはこの他にモモ、ナシにも発生する。モモアカアブラムシとモモコフキアブラムシはモモを参照する。

被害と診断

ウメコブアブラムシは葉を内側に縦に巻き、モモアカアブラムシは葉を不規則に巻くが、発生が多くなるといずれも激しい縮葉状となり、被害状況からは区別しにくく、両種が混発している場合もある。また、体色は両種とも淡緑色から黄緑色で区別が難しい。両種とも新梢の先端の軟らかい葉に移動し次々に葉を巻く。長野県ではモモアカアブラムシの方が発生が多い。オカボアカアブラムシは新梢の茎に寄生するが、葉裏にも寄生する。体が白粉でおおわれているので、前2種とは区別できる。発生は4月から7月で、特に5、 6月が旺盛である。いずれの種も群生し枝をおおいつくすほどに多発し、枝の伸長が妨げられ萎縮や湾曲する。また、果実の肥大も妨げられ、翌年の花芽の形成にも影響する。さらに、排泄物にすす病菌が発生し、葉や果実が黒く汚れ商品価値がなくなる被害も出る。

発生生態

ウメコブアブラムシはウメの芽の付近で卵で越冬する。ふ化幼虫はやがて無翅の幹母となり、交尾をしないで胎生で次々と幼虫を産出する。この子孫もまた交尾をしないで胎生で幼虫を産出すると共に、一部は有翅の幹母となり飛翔移動し他のウメ、アンズで繁殖する。中間寄主は明らかでなく不明点があるが、1年を通じてウメやアンズで過ごすのではないかと考えられている。秋には雌と雄が出現し、これが交尾し芽の付近に越冬卵を産む。年間の繁殖の中で両性生殖は最後のこの1回だけである。オカボノアカアブラムシもウメ、アンズの芽の付近で卵で越冬する。 6月頃までこれらの寄主で増殖し、有翅虫が夏寄主であるイネ、ヒエ等のイネ科植物に移動しここで繁殖をくり返す。秋になると再びウメ、アンズに有翅虫が飛来し、ここで雄と雌が生まれて交尾し越冬卵が産まれる。

防除方法

放置しておくと新梢の伸長が始まる4月から芽が巻きだす。葉がしっかり巻くと薬剤効果が劣るので、展葉期から4月下旬に殺虫剤を散布する。その後も密度が回復すると葉が巻きだすので、その都度殺虫剤を散布する。葉が巻くと接触性の殺虫剤はほとんど効かないので浸透性の殺虫剤がよい。
アブラムシ類にはテントウムシ類やクサカゲロウ、ヒラタアブ類など有力な捕食天敵が知られているが、アブラムシの増殖が盛んになるとこれら天敵の捕食力よりアブラムシの増殖力が勝り、発生を抑止しきれない。また、これら天敵は殺虫剤に極めて弱く、殺虫剤散布でほとんど死減する。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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