農作物病害虫データベース

胴枯病(果樹/アンズ)

胴枯病

若木、苗木に発病しやすい。いったん発病すると樹を枯死させたり樹形をみだすなど被害の大きい病害である。モモ、オウトウ、スモモなどに発生する胴枯病と同一の菌によって起こる。

病徴と診断

地上1m以下の主幹の南西または南面から発病することが多い。幹や大枝では樹皮が少し膨れ上がって軟化し、次第に褐色に腐敗してアルコール臭を発する。その後、この部分がやや陥没していぼ状の小突起(子座)が多数でき、サメ肌状となる。水分を得ると子座から赤褐色の糸状のもの(胞子角といい柄胞子のかたまり)が吹き出てくる。
被害部の表皮をはぐと、表皮の内側に黒色、楕円形の貝殻を伏せたような子座がみえる。
樹勢が強い場合には、病斑の周囲に癒合組織ができてがんしゅ状になるが、樹勢が弱いと枯死する。
小枝にでる場合は、水浸状からアメ色の病斑が広がり、これより上部が枯死する。晩秋に発病するものもあるが、多くは翌春になって枯れ込む。

発病条件

病原菌は枝幹の病斑内で越冬し、春に子のう胞子を飛散させて第1次伝染するが、伝染の主体をなすのはそれ以降に飛散する柄胞子によるものである。柄胞子は雨滴とともに飛び散って、枝の切口、凍害や日焼け部などの傷口から侵入する。感染は8月中旬~11月中旬頃に多いといわれている病斑は春先から梅雨期にかけて拡大し、盛夏には停滞するが、秋には再び進展する。柄子殻は1年目に形成されるが、子のう殻の形成は2~ 3年後になる。
アンズは極めて酸素要求量の高い樹種であるため、地下水位が高く、排水不良な園で発生しやすい。排水良好地に開園することが重要である。また、日焼け、凍害などの生理的障害や、劣悪な土壌条件、肥培管理の不適切などで起こる樹勢衰弱が誘引となって発生する。若木の徒長したものも発病しやすい。
発病には品種間差異があり、「信山丸」、「ハーコット」は弱く、ついで「新潟大実」、「信州大実」がやや弱く、「平和」は中程度、「山形3号」、「信陽」はやや強い。

防除方法

樹勢の衰えが誘因になるので、適正な着果量を守り、肥培管理、土壌管理を適切に行う。主幹部にワラを巻いて凍寒害を防止したり、枝の配置を考えて日陰を作り、日焼けを防止する。
また、排水をよくして耐寒性を高める。
被害枝は切り取って焼却する。胴部にでたものは病斑部を周辺の健全部も含めて削り取る。
薬剤防除にあたっては薬剤が本支幹部十分かかるようにする。

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