農作物病害虫データベース

胴枯病(果樹/クリ)

胴枯病

この病気は、アメリカ合衆国ニューヨーク州で1906年に発見された。
本病の病原菌は、最初日本から苗木とともにアメリカに入ったものと推測された。しかしその後、中国においても同じ病原菌による胴枯病が発見されたので、アジアに広く存在していた病害であることがわかった。
ニホングリは本病に対して抵抗性がやや強いので、大きな被害になることはないが、樹齢が結実期に達する頃に発生しやすく、クリ栽培では最も恐ろしい病害である。

病徴と診断

幹や枝に発生するのが普通だが、まれに果実に発生することもある。発病の初期は樹皮が赤褐色に変わり、軟化する。そして、病斑上に子座と呼ばれる小さな隆起物が多数でき、樹皮の表面がサメ肌状になる。雨などで濡れると、子座からは黄褐色~橙黄色の糸くず状の粘質物が噴出する。病斑部は古くなると亀裂ができ、はがれやすく、樹皮の下には扇状の淡黄色の菌糸が作られる。病斑部が幹や枝を一周すると、そこから上の部分は枯れる。果実では、果皮が黒褐色となり、果肉が褐変・腐敗する。葉は先端から黄化してしおれ、やがて枯れるが、落葉しないで冬になっても枝に残っている。また、本病にかかった樹は、病斑部の下から多数の枝を出すことが多い。
本病の発病の進展は樹勢と関係がある。樹勢が弱っている場合は急激に病状が進むが、強い場合は病斑の周りの健全部にゆ合組織(カスル)が形成され、がんしゅ状に肥大することもある。これが毎年繰り返されて、年輪状のがんしゅの形になるものもある。

発病条件

伝染源は病斑に形成される胞子で、感染した苗木に
より伝搬することもある。
病原菌は枯れ枝、せん定痕、凍寒害などの傷跡から侵入する。感染と発病は10℃ 以上の気温で可能であるが、病勢の進展は、クリ樹の栄養成長が衰え、かつ菌の発育に好適な温度条件となる8月~9月に盛んとなる。
寒地での発病が多く、凍寒害が病原菌の侵入門戸を作るとともに、樹勢の衰退を招き被害を大きくする。

防除方法

栽培適地に植えることが基本である。凍寒害のある場所では、冬期のワラ巻きなどの防止対策を行う。また、樹勢を適切に維持する事も大切なので、園内の排水、保水、栽植密度、整枝法、肥培管理に注意する。病斑を発見したら直ちに、健全部を含めて削り取り、塗布剤を塗る。

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