クリシギゾウムシ(果樹/クリ)

ゾウムシ類で成虫の口吻が長く、鳥のシギのくちばしに似ているのがシギゾウムシの名の出来である。クリの果実の虫食いはほとんど本種と後述のモモノゴマダラノメイガ及びクリミガによるものである。 ドングリにも寄生する。
被害と診断
成虫の体色は暗褐色、体型は卵形で口吻は長く湾曲する。この口吻でクリのイガに穴をあけ、果皮と渋皮の間に産卵する。ふ化した幼虫は果実に食入し果実内を食害する。幼虫は糞を果実の外に出さないので、生育中及び収穫後とも被害果であることがわからない。収穫果をしばらく貯蔵しておくと、果皮に円形の穴が開き老熟した幼虫が脱出してくる。幼虫には脚がなくウジのようにうごめく。被害は早生種より晩生種に多く、標高の低いところより高いところで多い。
発生生態
老熟幼虫が土中で土まゆを作り、その年に成虫になるものは少なく、もう1回越冬しその次の年に成虫になる。中には3年越冬してから成虫になるものもある。
成虫は9月頃から出現し、産卵は9月下旬から10月上旬に多い。
果実からの老熟幼虫の脱出は10月中旬からで、最盛期は10月下旬から11月上旬である。
防除方法
成虫の出現期に殺虫剤を散布する。収穫果はできるだけ早くくん蒸処理する。