農作物病害虫データベース

クリタマバチ(果樹/クリ)

クリタマバチ

中国から侵入した害虫で昭和16年に岡山県で初めて発見された。長野県では、昭和25年に発生が確認され、昭和35年には全県下で発生を認めるようになった。当時、栽培種の抵抗性品種以外は被害程度が高く、特に野生種は甚だしく結実不能、枯死するものも現れた。その後、抵抗性品種が栽培されるようになるとともに、平成4年に放虫した天敵(チュウゴクオナガコバチ)により被害は激減した。

被害と診断

春先に健全芽が1 cmくらい伸長したときに、芽を指で抑えると寄生芽は虫こぶ(虫えい)ができ始めていて堅い。展葉期になると、寄生芽は正常に伸長せず赤くふくれたこぶ状となり、わい化した小葉をそう生する。寄生を受けた芽からは新梢がのびず、 8月頃になると虫こぶから出た葉は枯れ始める。このように寄生を受けた芽の生長は抑制され、葉は早期に枯れてしまうため、樹勢は衰弱し減収につながるのみならず、ひどい場合は枝や樹が枯死する。虫こぶから出た葉は冬になっても落葉しないため、冬に樹上についている枯葉の量で本種の被害程度を簡単に確認できる。
成虫は体長が約2.5mmで黒色、翅が透明で夏に出現する。本種はメスのみでオスが認められていない。また春に虫こぶを開くと、乳白色で蜂の子状の幼虫がみられる。

発生生態

発生は1年に1回で、成虫は6月下旬から7月中下旬まで出現する。成虫は虫こぶより脱出後まもなく、単為生殖で翌年伸びる芽に1~ 10数個の卵を産む。産卵は生育の劣った枝の芽に多く、生長の旺盛な枝の芽には少ない。卵は約30日でふ化し、幼虫は平均気温10℃ に下がるまで緩やかに発育を続けるが、あまり発育せずに越冬にはいる。この時期に芽が虫こぶとなることはない。翌春の萌芽期から越冬幼虫は食害活動を開始し、寄生をうけた芽は異常発育して虫こぶを形成する。 6月中旬から虫こぶ内で蛹化し、約10日間の蛹期間を経て羽化する。成虫は3~ 7日虫こぶ内にいた後脱出する。

防除方法

抵抗性の強い品種を栽培する。また適切な肥培管理と整枝剪定を行って樹勢を強く保ち、弱小枝は切除する。薬剤による防除は効果的でない。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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