農作物病害虫データベース

コウモリガ(果樹/果樹全般)

コウモリガ

果樹ではリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、クルミ、クリなどほとんどに寄生する。また、ヤナギ、アカシヤ、キリ等の樹木やヨシ、タデ、ヨモギなど茎がしっかりしている多くの草本類にも寄生する。

被害と診断

幼虫が幹や枝の木質部に食入する。通常、虫孔は木質部の中を縦に樹上部に向かっており、虫孔の入り口には木屑や虫糞を糸でつづった蓋をする。この場合、成木ではすぐ実害にならないが、幼木は樹勢衰弱や枯死に至る。幼虫は小さい場合は木質部にすぐ食入できないため、幹や枝を環状にしばらく食害し、それから木質部に食入する。このため環状被害部で養水分の流通が遮断されるので、そこから先が衰弱したり、一回り食害された場合は枯死する。この場合も環状食害部は木の微片や糞を糸でつづっておおう。木質部の堅いブドウではこの被害が多い。幼虫は老熟すると体長50~ 80mm位になり、頭部は大きく、黒褐色、胴部は乳白色~薄い黄褐色、背には多数の黒墨色の斑紋がある。雑食性であるので、雑木林の付近や河川、周辺に雑草が多い園で発生が多い。
なお、ボクトウガ類の寄生被害もこれによく似ているが、この幼虫は淡紅色を呈しているし、虫孔の入り口の蓋がないので区別できる。

発生生態

果樹など、木本類に寄生した場合は2年に1回発生するが、寄生植物によっては年1回発生となる。成虫は9月中旬から10月にかけて発生する。成虫は日中の間、枝や葉柄に下垂状態で静止しているが、夕暮れになると活発に飛び回る。産卵は飛びながら行い地面に卵をまき散らす。 1回の産卵量は150~ 300個程度で、総産卵量は2000~ 3000粒におよぶとされている。この卵は翌春4~ 5月にふ化する。
幼虫は初め雑草を摂取し成長する。その後、周辺に分散しヨモギ、ギシギシ、イネ科植物、ワラビなどの草本類の茎内に食入する。 6月になると大部分はこれら雑草からでて、近くの木本類に移動して食入し、ここで越冬する。移動距離はそれほど大きくなく、せいぜい10m程度である。翌年さらに成長して7~ 8月に食害の際、蛹の空殻は被害部から半分ぐらい突出する。

防除方法

若齢幼虫期は雑草に寄生するので、園内及び周辺の除草を行い生息場所をなくす。
被害の早期発見につとめ、食入が認められた捕殺する。虫孔は上に向かって直線的であるので、針金を入れると大体殺すことができる。後で虫孔口に蓋ができなければ死んだと考えてよい。

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