農作物病害虫データベース

アメリカシロヒトリ(果樹/果樹全般)

アメリカシロヒトリ

昭和20年代初期にアメリカから持ち込まれた侵入害虫である。長野県では昭和39年に松代町で初めて発生が確認され、以後全県に急速に広がった。雑食性で果樹ではリンゴ、ナシ、モモ、スモモ、アンズ、オウトウ、クルミなどほとんどの樹種に寄生し、とくにクルミで被害が多い。この他、街路樹のポプラ、プラタナス、サクラにも寄生し、河川のヤナギやクルミなどは発生源として間題になっている。

被害と診断

6月と8月に初期の被害が見られる。寄生植物が多く、庭木や並木、その他河川敷の落葉樹や、薬剤散布があまり行われない果樹で発生する。幼虫は中期まで天幕状に糸を張って、この中で数十頭から百数十頭で群生し、葉肉を残して表皮を食害するので、その部分が白く見える。5齢以降になると分散し、葉脈や葉柄を残しながら次々と食害するようになる。これにより、クルミでは不稔果実が多く、他の果樹でも果実は肥大せず、樹勢も衰え翌年の花芽形成に影響する。
成虫は体長約15mm、純白の蛾であるが、越冬世代の雄には翅に褐色または黒色の斑点が散在する。卵は葉裏に700~ 800粒をかためて産み付ける。総産卵量は多いものは一雌で1000粒を越す。ふ化幼虫は初め淡黄色であるが、成長するにつれて背中が黒っぽく、側面は灰黄色になる。また、側面には不規則な黒い斑紋があり、全体に白い毛が生えている。

発生生態

成虫は年2回発生する。越冬は蛹で、建物の隙間や粗皮下などに粗繭を作って行う。越冬世代成虫は5月中旬~ 6月上旬、第1世代成虫は8月上~中旬に発生する。成虫の寿命は5~10日ほどである。産卵は卵塊で葉裏に行い、表面を自分の体毛で覆う。卵は初めは淡黄色であるが、ふ化時期には黄色みを帯びる。幼虫は約6回の脱皮を重ね、 7齢を経過すると蛹になる。 4齢までは巣網の中で集団で棲息し、その後は分散する。この時期から食害量が多くなる。

防除方法

若齢幼虫期は群生しているので、その部分を枝ごと切り取って処分する。
幼虫が分散した後は殺虫剤を散布して防除する。殺虫剤には弱いので薬剤による防除効果は高い。通常の防除がされている果樹では発生はまずないので防除対象にする必要はない。しかし、アンズ、オウトウなど収穫が早く終わり以後防除がされないものでは、2回目の幼虫の寄生があるので注意する。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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