農作物病害虫データベース

ハタネズミ(果樹/果樹・野菜他)

ハタネズミ

長野県内の野そ(野ねずみ)被害の多くはハタネズミによるもので、他にハツカネズミ、 ドブネズミなども農作物を加害する。果樹ではリンゴ、ナシ、ブルーベリーなどで被害が多い。

被害と診断

ハタネズミの摂食部位は樹幹の地際部の樹皮、根の皮である。冬季に加害し、根雪消失後に被害に気付く場合が多い。加害部は鋭利な刃物で剥ぎ取られたように摂食され、太い木部が露出する。根への加害が著しい場合には、樹全体がすっぽりと抜けてしまう。枯死など改植を必要とする被害は主にわい性樹で発生する。ブルーベリーでは芽が食害される。
被害樹の周辺にはハタネズミが作ったトンネルや穴が多数残される。ハタネズミは根雪下で活動しながら果樹を加害するため、根雪にならない地帯や、根雪の浅い地帯ではあまり問題にならない。また、園内では園周辺部に被害が多く、中央部で少ない傾向がある。

発生生態

成獣の体長は10~ 13cm、尾は3~ 4 cmと短い。毛色は背面が暗褐色で、腹面が灰白色。毛並みは粗くばさばさしている。ドブネズミは体がはるかに大きく、ハツカネズミは体長が6~ 9cm。両種とも尾の長さは体長とほぼ同じである。ハタネズミは地下生活を基本とし、地下5~ 30cmの所にトンネルを堀って、寝床や食物貯蔵庫、排泄所などを作る。 トンネルの総延長は10~ 30mに達し、 5~ 10か所の出入口を作る。繁殖期は春と秋の2回でそれぞれ4~ 5頭づつ産む。寿命は8~ 12か月以内くらいで、雌は約半年で、雄は約1か月で生殖可能となる。このため個体密度は初夏と秋に高くなる。ハタネズミは春季~初冬季には、休耕地や畑、畦畔などで生活し、果樹園を主な生活場所にすることはない。

防除方法

野その防除には駆除と被害回避があるが、露地栽培では駆除してもすぐに新たな個体が侵入する場合が多く、根本的な防除にはなりにくい。
物理的駆除法:ネズミ取りによる防除法で、捕そ機(パチンコ)や粘着板などがある。粘着板は取扱いが簡便である反面、使い捨てである。屋内用の粘着板をほ場で使用する場合には降雨や粘着面の汚れを防ぐため、覆いをかぶせる必要がある。餌を誘引源に使用する場合、あらかじめ餌だけを与えて馴らしておくと効率的である。
化学的駆除法:毒餌、殺そ剤など、最も一般的に実施されている手法であるが、目的外生物への影響などに注意が必要である。
物理的被害回避:地際樹幹部に有刺鉄線を巻くなどの方法がある。効果は高いがコスト面や作業性が悪い。野そは雑草が繁茂した環境を好むので、除草などのほ場整備も重要な被害回避対策である。特に根雪前に樹幹部周辺の落葉や雑草、落下果実を除去しておくだけでもハタネズミの被害を回避できる場合が多い。
化学的被害回避:根雪前に、忌避剤を樹幹を中心に半径50cmの円内に処理する。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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