農作物病害虫データベース

黄化病(野菜/ハクサイ)

黄化病

1966年南牧村でみられるようになり、長野県内各地に被害が広がって、現在では根こぶ病とともにハクサイ栽培における連作障害の大きな一因となっている病害である。また県外でも発生が確認されている。

病徴と診断

一般に収穫前10~ 20日ごろから外葉に黄化症状が現れ、収穫直前になって急激に病勢が進展する。はじめ外葉の数枚が黄色~ろう白色に変わり、外葉がV字型、あるいは半枯れ状に枯れ込んでくるものもみられる。これらの被害葉の中肋部を切断すると導管が変色している。また夏期の高温期に収穫を迎えるものには黄化症状があまりみられず、外葉の萎ちょう症状が最初に現れる場合もある。その後、外葉の黄化は進み結球葉付近まで黄白色に変わってくる。このころになると外葉は開いて結球はむき出しとなる。被害のひどい場合には結球しない。被害株の根部を切断すると導管は黒褐色~茶褐色に変わっている。一般に被害株は2次的な寄生菌によって軟腐することはあっても黄化病自体によって軟腐、腐敗することはない。被害残渣上には黒色の菌核を形成するが、菌核はきわめて微小なものであるために残渣表面に墨を塗ったようにみえる。これらを顕微鏡でみると無数の菌核が観察される。早期診断のポイントは外葉の局部的症状とその部位にそった根部導管の褐変を確かめる。

発病条件

病原菌は不完全菌の一種で同属であるが異なる2種の病原菌が存在する。本菌の菌糸は白色または透明で、輪状に分枝する分生子柄を生じ、その先端部には分生子塊が形成される。菌糸の一部が出芽状に分枝してのちに菌核を形成する。本菌の培地上での生育適温は20~ 25℃ である。被害残渣上に形成された病原菌の菌核は土中に埋没され、長い間生存する。ハクサイが植えられると、根からの分泌物によって刺激をうけ発芽する。そして菌核は発芽管を伸ばして、直接根部へ侵入するかあるいは分生胞子を形成し、これが発芽して侵入する。導管内に達した菌糸は分生子柄を伸ばして分生胞子を多数形成する。分生胞子は導管流によって他の部位へ移動する。これらの分生胞子が発芽して増殖した部位は水分上昇が妨げられて外部に病徴が現れてくる。
本病は連作畑で発病がみられ、年々の栽培によって上記の生活環が繰り返され、次第に土壌中の菌密度が高まっていく。土壌条件が湿潤であると多発する。
ハクサイでは、抵抗性品種も一部作出されているが、大部分の品種は感受性である。

防除方法

1.連作は好ましくなく、いったん発生した畑ではできるだけ他品目に切り換えた方が良い。
2.被害地で連作を行う場合はクロルピクリン剤による土壌消毒が効果的で、特に処理後ただちに被覆して15日後にガス抜きを行わずそのまま播種または定植を行うマルチ畦内処理法の防除効果がきわめて高い。
3.収穫後、被害残渣上に石灰窒素を10a当たり80kgの割合で散布し、10日以上放置し乾燥させることにより微小菌核の形成を阻害する効果があり、次作の発病を軽減することができる。
4.硝酸態窒素を基本とした施肥にする。

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