農作物病害虫データベース

苗立枯病(普通作物/イネ)

苗立枯病

機械移植栽培の育苗は超密播で行われるため苗立枯れの発生が増加し、従来雑菌と思われていた菌によっても引きおこされるようになった。病原菌の種類は10種を越えるが、本県で主に問題となっているのは、下記の4種類であり、これらは苗立枯病と総称されている。

病徴と診断

フザリウム属菌による苗立枯れは生育不良で、萎凋して淡褐色に枯死する。地ぎわ部や根が侵されて褐色に腐敗し、種級には白色や赤色のカビがみられる。発生は坪枯れ状を呈する。
ピシウム属菌による苗立枯れには2つの症状があり、出芽直後の育苗初期に現れるものと、緑化期以降の比較的後期に現れるものがある。育苗初期の症状は生育が著しく劣り腐敗枯死する。後期に発病するとはじめ緑色を保ったまま急速に萎凋し、後に淡褐色に枯死するいわゆる「ムレ苗」と呼ばれる症状を呈する。いずれも坪枯れ状に発生し、種籾の周囲および地ぎわ部にカビは認められない。
トリコデルマ属菌による苗立枯れは、出芽時に激しく発病すると不出芽となり、緑化期以降に発病すると地ぎわ部や根の褐変腐敗を起こして苗はやや黄褐色に変色して枯死する。苗自体の病徴はフザリウム属菌によるものとよく似ているが、種籾のまわりや土壌表面に緑色のカビが現れることから容易に識別できる。
リゾープス属菌による苗立枯れは、出芽時に急速にカビが蔓延するため出芽不良を起こし、出芽しても根が障害を受けるために生育不良となる。根ばりが不良なため正常なマット形成がされず使用不能となるため被害は大きい。土壌表面や種粗の周囲に自色でクモの巣状のカビがみられる。根の先端部が肥大して生育が停止するのも特徴である。

発病条件

いずれもカビによっておこる病気で、土壌伝染し、育苗環境、用土の性状等で発病が大きく左右される。高温で育苗された場合にはリゾープス菌による苗立枯病が発生しやすく、遅霜など異常低温に遭遇するとフザリウム菌、ピシウム菌による苗立枯病が発生しやすい。また床上のpHとの関係ではフザリウム菌、ピシウム菌は高いほど、 トリコデルマ菌は低いほど多発する。またいずれも播種量が多く、多湿で育苗管理が粗雑なほど多発する。

防除方法

1.用土はできるだけ市販の培土を使用し、水田土壌を用いる場合は薬剤防除を行う。
2.極端な高温、低温は発病を著しく助長するので換気、保温に努め、育苗適温を守る。
3.薬剤防除にあたっては病原菌によって有効薬剤が異なるので留意する。粉剤は用土に均―に混和し、水和剤、液剤は播種時に潅水を兼ねて潅注する。いずれも発病してからの施用では効果が期待できないので予防に心がける。

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

  • 農業試験場
  • 果樹試験場
  • 野菜花き試験場
  • 畜産試験場
  • 南信農業試験場
  • 水産試験場
  • 病害虫図鑑
  • 研究課題の募集
  • 視察研修の受け入れについて
  • 研究成果
  • スマート農業
Copyright © Nagano Prefecture. All rights reserved.