農作物病害虫データベース

もみ枯細菌病(普通作物/イネ)

もみ枯細菌病

籾及び苗に発病する細菌性の種子伝染性病害である。西南暖地では主に籾枯症状が、東北では主に育苗期の苗腐敗症、中間に位置する関東地方では両者が発生するが、長野県では育苗期の苗腐敗症が育苗センターを中心に大きな問題となっている。

病徴と診断

保菌した籾を播種し、発生しやすい条件で管理すると発生する。感染が激しい場合や感染時期が早い場合は出芽直後~ 1葉期に症状が現れ、立枯れを起こすが、通常2葉~ 3葉期に症状が現れる。罹病苗では2葉あるいは3葉が完全に出てこれず、葉鞘の途中から葉鞘を破って出葉してくることが多い。また、そのような葉の葉身は白~黄色に脱色している。その後、脱色部分は次第に黄褐色に変わり腐敗枯死する。この腐敗枯死した芯葉は手で容易に引き抜くことができ、芯葉の葉鞘基部が褐変腐敗している。
育苗箱内では激しく発病した苗を中心に周辺に発生が広がり、坪枯症状を呈する。
感染が軽い場合や感染時期が遅い場合、すなわち3葉目に症状が出た苗は枯死するのはまれで、保菌したまま生育は次第に回復する。
籾での症状は開花期以降の穂のみに現れる。発病の激しい場合は傾穂期になっても直立したままで穂が垂れない。これらの穂の籾は多くが不稔であったり稔実が不完全であり、ややピンクがかった黄褐変穂となる(重症穂)。その周辺には罹病籾をもつ穂が散在しているのが普通で、重症穂を中心に坪状に発生する。病徴は籾のみに現れ、穂首、穂軸、枝梗などには顕著な特徴が認められない。
籾では籾基部から淡黄色~淡褐色に変色することが多い。
長野県では本田での発生実態については今のところ不明である。

発病条件

保菌種子を播種することで発生するが、育苗管理により発生に大きな差が生ずる。病原菌の生育適温は30~ 35℃ と高温であり、これは現行の催芽・出芽~緑化の温度管理と一致する。このため催芽~緑化期に至る間の高温管理は発病を大きく助長する。また、潅水過多で発病を助長する。特に緑化期までの多潅水は2次伝染を著しく助長する。この他、現地では循環式加温催芽器で多発した事例がある。また、糸状菌のみに効果のある薬剤を単剤で用いると発病を助長することがある。

防除方法

1.種子伝染性病害であることから無病種子を用いることが最も重要であるが、保菌籾が肉眼では判別困難であるので、育苗管理および薬剤消毒を行う。
2.保菌籾を用いても温度、湿度管理次第では発生しにくいので育苗管理が特に重要になり、催芽、出芽、緑化に至る育苗初期管理で発病に適した30℃ 以上の高温に遭遇する機会をできるだけ減らす。また、潅水はできるだけ控える。
3.薬剤防除には種子消毒と播種時処理があるので、それぞれ使用基準に従って実施する。

防除マニュアル

防除マニュアルはこちらからご覧ください。

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