農作物病害虫データベース

ミカンキイロアザミウマ(野菜/イチゴ・キュウリ・トマト・他花き)

ミカンキイロアザミウマ

1990年に埼玉県と千葉県の施設栽培の花き類で初めて発生が確認された海外からの侵入害虫である。長野県では1994年にトルコギキョウで発生しているのが初めて確認された。

被害と診断

成虫、幼虫ともに花、葉、若芽、果実を加害し、成虫は花粉を好む。被害部が変色し、品質が低下する。キュウリでは幼虫が葉裏に生息、して加害し葉に白斑を生ずる。成虫は花に集中しており、多発すると果実に奇形を生ずる。トマトでは、幼果に成虫が産卵するためその部位が白ぶくれ状態となる。完熟させると白ぶくれ症状は見えなくなる。
イチゴでは幼虫は花と花弁の間に、成虫は花粉の周辺に生息、して加害する。果実では、幼虫が表面にある種子と果肉の間の隙間に潜って加害するため、種子がうきあがったように見え、また果実の色が赤橙色になる。
花き類では、花の部分に寄生が集中し、暗色花弁では白色条が生じ、明色花弁では褐色条が生ずる。
吸汁被害のほかに、 トマト黄化えそウイルス(TSWV)を媒介する。

発生生態

体長が雌成虫で1.5~ 1.7mm、雄成虫で1.0~ 1.2mm程度の微小な害虫である。体色は雌が淡黄色~褐色、雄が淡黄色である。卵は、葉、花弁などの植物組織内に1卵ずつ産卵される。孵化幼虫は、花弁、新芽、新葉などの間に生息、しこれらを吸汁して加害を開始する。土中や落葉中で蛹化するため、蛹化時期が近づくと幼虫は地表に移動する。蛹の期間は加害しない。成虫になると、再び花弁、新芽、新葉に寄生し加害を再開する。卵から成虫までの1世代を完了するのに要する期間は、20℃ 条件下で約22日、27℃ 条件下で約14日と短い、雌成虫の寿命は30~ 45日で、羽化後3日日頃から産卵を開始し、 1雌当たり150~ 300卵を産卵する。
交尾できなくても次世代を産卵することが可能で、未交尾雌の未受精卵からは常に雄が孵化し、既交尾雌の受精卵からは雌が生ずる。したがって、未発生地域へ雌だけが侵入しても次世代からは雌雄ともに生息することが可能になる。
成虫は翅を持っているが、飛翔に適した形態ではなく、自力で長距離を移動することはできない。ただし、小型の昆虫のため、風を利用した場合1500mの上空まで達することが可能で、広く分布する可能性は持っている。したがって、通常は苗の移動などの人為的な要因によっての移動が多いと考えられる。

防除方法

施設栽培では、その特徴を生かす点から寒冷紗で開口部をおおうと侵入防止効果が高い。発生している施設では、収穫しなかった花に多数寄生していることが多いので、速やかに摘み取り焼却処分する。また、本種は絶食状態に数日間さらされると死減するので、収穫終了後施設内に餌となる植物がない状態にして閉めきり、次の定植まで10日以上あけると土中の蛹も羽化して餓死する。圃場内外の環境整備に努める。

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