農作物病害虫データベース

ニカメイガ(普通作物/イネ)

ニカメイガ

かつてニカメイガは水稲の最重要害虫であったが、栽培体系の変化や品種の変遷などにより、昭和40年代中期から被害面積は減少している。ただし、北信地域の一部では畑園地への被害ワラの持ち込みや稈の太い品種への切り替え等により発生密度が上昇し、倒伏など激しい被害が発生している。

被害と診断

第1世代幼虫による被害は加害時期により症状が異なる。6月中下旬までは集団で葉輪の内側を摂食するため、食害部は枯死して黄褐色~褐色を呈し「葉鞘変色茎」となる。時には葉が葉鞘部から枯れ「流れ葉」となる。 7月以降幼虫は単独で生活し、茎の中心部へ食入して心葉を枯らし白色の「心枯茎」を発生させる。心枯茎は簡単に引き抜け、心葉の元の部分が喰いちぎられている。第1世代幼虫による加害は、通常の発生密度で茎数の減少程度で実害には至らない。
第2世代幼虫も茎に穿孔し、やがて髄を摂食して穂の「出すくみ」や「白穂」を発生させる。幼虫の発育とともに茎の内側が食べ尽くされて茎が枯れ、収穫期に茎が株元から折れて倒伏する。多発田ではしばしば全面倒伏の被害に至り、著しく減収する。被害株の株元には幼虫が食入や脱出した穴がある。被害は粳よりもち品種に発生しやすく、また稈の太い品種ほど食入されやすい。成虫は明るいワラ色の細長い蛾で、下唇が長く前方に伸びている。幼虫は乳白色で頭部は褐色。ニカメイガと類似した被害を発生させるダイメイチュウ(イネヨトウ)幼虫はやや大型で赤味を帯びる点で区別できる。

発生生態

ニカメイガとは2化性のメイガ、つまり1年に成虫が2回発生するという意味である。しかし高冷地はもちろん、佐久、諏訪および上伊那の各地域では年1回発生である。 2回発生地帯でも成虫の発生時期は地域によって異なる。
老熟幼虫でワラや水田内の刈り株の中で越冬する。越冬世代成虫は5月中旬から発生し、発蛾最盛期は6月上旬頃になる。卵は数十個ずつ鱗状の卵塊としてイネの葉に産下される。産卵直後は白~黄白色で、ふ化が近づくと黒化する。卵期間は約10日間で、ふ化幼虫は集団で茎内に食入する。生育が進むにつれて分散しながら次第に大い茎に移動する。30~ 50日で体長約2 cm前後の老熟幼虫となり、茎内で蛹化し、更に10日前後で羽化する。第1世代成虫は8月上~中旬頃に発生し、産卵する。第2世代幼虫は収穫期には成熟し、越冬に入る。

防除方法

1.多発地域では稈の太い品種の栽培を避ける。また、田植時期を遅らせると越冬世代成虫の産卵が減る。珪酸を施用して稈を硬くすると幼虫の生存率が低下する。
2.ニカメイガに効果の高い苗箱施薬剤を施用する。
3.被害の主体は第2世代幼虫であるが、第1世代幼虫の方が生育が揃っている上イネも繁っていないので防除しやすい。第1世代幼虫の防除適期は6月下旬頃。第2世代幼虫は8月中旬頃で、多発生時には2回防除する。

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