農作物病害虫データベース

クローバーシストセンチュウ(花/カーネーション)

クローバーシストセンチュウ

本種は、平成元年に飯田市のカーネーション栽培施設で発生しているのが確認されたのが日本国内での初めての例である。海外では、イタリア、フランス南部で以前から問題になっていた。分布はアメリカ合衆国やドイツ、オラング、イギリスなどヨーロッパ各国で報告されている。日本では、1960年に真田町菅平の白クローバーで寄生が確認されている。その後、本種による被害の報告はまったく途絶えていたが、平成元年に飯田市で確認されて以降、翌年には東信地方のカーネーションで、次の年には南信地方の各地のカーネーションで被害が確認されるなど、発生地域が急激に拡大した。

被害と診断

寄生するとまず生育が不良になる。正常な株と比較して草丈は半減し、茎葉は黄化してくる。花茎数も減少し、商品価値は著しく減少する。一見すると、極端な肥料不足の場合と似ており、肥料不足として処理されていることがある。特に6月ごろの被害症状が顕著である。被害株を引き抜くと、根に撃L白色、黄色あるいは褐色をしたレモン型のシストが多数寄生しているのが確認される。

発生生態

雌のみで単為生殖により増殖する。幼虫は他のセンチュウ類と同様に細長く微小なミミズ状で、土の中を自由に動きまわる。根に口針を突き刺した幼虫はそこに定着し、発育に伴い肥大し、レモン型の成虫となる。成虫の角皮は硬化し、内部に400~ 500個程度の卵を包むシストとなる。シストになると体色は褐色に変化する。
シスト内の卵は、寄主のいない乾燥条件下でも長期間生きのびることが可能で、土中で10年程度生きのびることもある。寄主植物の根が伸びてくると根からの分泌物が卵の孵化を促進する。孵化幼虫は、根の根端分裂組織から侵入し、定着する。組織への侵入から30日程度経過すると根の表面に予し白色の成虫が見られるようになる。
寄主植物については、赤クローバー、自クローバー、アズキ、インゲン、ハギ、ハコベ、ホウレンソウ、宿根カスミソウには寄生するが、キャベツ、カリフラワー、ハクサイ、ダイズ、ラッカセイには寄生しない。

防除方法

シストセンチュウの仲間は、寄主植物の範囲が通常のセンチュウ類と比べてきわめて狭い。したがって、本種が寄生しないトルコギキョウなどを導入してカーネーションとの輪作の体系をとれば密度の増加を阻止し、防除効果が期待できる。

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