葉腐細菌病(シクラメン葉腐細菌病)(花/シクラメン)

長野県では1984年に、はじめて発生がみとめられた。主として中南信地方で発生が多く、被害を与えていたが現在ではあまり発生しなくなっている。
病徴と診断
葉、葉柄、花梗、芽、塊茎などを侵す、葉では、はじめ葉柄に近い部分に水浸状の病斑ができ、拡大して黒褐色となり腐敗する。病斑は葉脈にそって葉先へ拡がり、やがて、全体が腐敗する。葉柄や花梗では、水浸状のへこんだ病斑ができ、これが上下に拡がり、腐敗して葉が垂れ下る。これが塊茎に達すると塊茎に発病する。芽では茎部に水浸状の病斑を生じ、黒褐色に腐敗し枯死する。塊茎では芽枯れや葉柄などから拡がり、維管束が赤色~赤褐色に変色し、腐敗する。
発病条件
病原菌は高温を好むので夏期に発生する。この時期に湿度が高いと多発する。伝染源は汚染された用土、鉢、ベンチなどで、二次的に発病株から管理作業や散水などにより伝染する。
病原菌は傷口から侵入して発病する。
防除方法
用土や鉢は萎ちょう病に準じて蒸気消毒を行う。管理作業に使用するピンセットなどの用具も消毒する。薬剤による防除は、鉢がえ時又は鉢がえ後に行うとよい。