乾腐病(花/グラジオラス)

発生すると株全体が枯死するので被害の大きい病害である。
病徴と診断
立毛中に発病すると、外側の葉から黄化して、だんだんと内側の葉におよび、やがて全体が枯死するに至る。球茎に発病すると、はじめ球茎の表面に赤褐色かまたは黒褐色の水浸状の病斑ができる。これがしだいに拡大して、同心円状に隆起線が現われ、ひび割れし、しわができる。包皮をはぎとると中が同心円状に腐敗している。湿った状態にあると、この腐敗した部分の表面に白いかびが生える。激しく発病すると球茎は萎縮し、ミイラ状に乾固する。発病した球茎は植えつけても発芽しなかったり、発芽しても生育が悪く、生育中に発病し、茎葉が枯死するに至る。
発病条件
病原菌は球茎に付着していて冬を越し、翌年の伝染源となるほか、貯蔵中に発病して球茎を腐らせることもある。このほか土壌中に病原菌が残っていて、土壌中で伝染する。この病気はグラジオラスのほかに、チューリップやラッキョウなどにも発病するので、お互いに伝染源となる。
防除方法
連作すると発生が多くなるので、一度発生したほ場では数年の間この病原菌に侵される作物を作ることはさける。また、クロルピクリン剤による土壌消毒をすると効果があるが、連作をしないことが最も望ましい。無病の球茎から木子を採取する。立毛中に発病株をみつけたならば早めに抜きとる。球茎の貯蔵は乾燥したところにおく。