農作物病害虫データベース

原木栽培(きのこ/シイタケ)

原木栽培

林野などの自然環境を活かしたシイタケ栽培の歴史は古く、栽培に係わる病害虫の内容もかなり詳細に把握されていて、関係種
類の生理生態を考慮した生態的防除法が効果的に行われている。

病徴と診断

ほだ木に発生する害菌には、木材中で繁殖してシイタケ菌糸の蔓延を阻害するがシイタケ菌糸を殺すだけの力のない仲間(腐生性害菌)と、イシタケ菌糸を直接攻撃し死滅させる仲間(菌寄生性害菌)がある。前者はカワラタケやダイダイダケなどシイタケと同じ木材腐朽菌が主で、これらはほだ木表面に形成された子実体によって種類が判定でき、樹皮をはいで材表面に形成された帯線によって被害程度を推定できる。腐生性害菌であっても多量に発生するとシイタケ子実体の発性不良に結びつくため軽視できない。
次に後者ではトリコデルマ。ヒポクレア菌群が代表として知られているが、この仲間は種駒や木回のシイタケ菌糸、あるいはほだ木表面の他のきのこ類の藤i糸に寄生してほだ木内部にまで浸入し、最終的にはほだ木内部のシイタケ菌糸を全て分解してしまうため被害はきわめて大きい。
ほだ木の害虫としては、伐採直後から菌糸蔓延に至るまでに樹皮下や材部に穿入して食害するカミキリムシ、キクイムシ、ナガキクイムシなどの仲間と、完熟ほだ木を加害するゴミムシダマシ、コガネムシ、クワガタムシの仲間が知られている。

発病条件

害菌の発生環境は次のとおりである。直射日光によるほだ木温度の上昇…クロボタンタケ、ヒイロタケ、スエヒロタケ、アラゲカワラタケ。春先の直射日光と乾燥…シトネタケ、ニマイカワタケ、 クロコブタケ。生木状のほだ木…ゴムタケ、ダイダイタケ。多湿のほだ場…白色トリコデルマ、 トリコデルマ・ラクテア、ネンドタケ。梅雨から夏期の通風不良な高温多湿のほだ場…アナタケ、コウヤクタケ科、シワタケ科、 トリコデルマ・ヒポクレア菌群。シイタケ子実体の腐敗および奇形…細菌、 トリコデルマ・ヒポクレア菌群。

防除方法

1.生態的防除法 発生している害菌、害虫の種類からほだ場などの改善対策を行う。例えば、傘木、寒冷紗による日陰対策、除伐、下草刈りによる通風の確保、ほだ場や栽培地周辺の廃ほだ木、朽木の整理などである。また、使用原木の水分や胴枯病のチェック、当年植菌ほだ木収容ほだ場の清潔化、植菌作業や仮伏せの適正管理によるほだ化促進、浸水使用ほだ木の養生、ほだ木表面の損傷回避など病害虫の発生しにくい栽培管理を行うことも重要である。
2.薬剤防除法 シイタケの原木栽培ではトリコデルマ・ヒポクレア菌群予防のため、当年植菌ほだ木に対して植菌直後から梅雨明けの間、 3回以内の範囲で散布できる防カビ剤(子のう菌に有害で坦子菌に無害な選択性殺菌剤)があるが、浸水時や子実体形成時の使用は認められていない。害虫防除としては、子実体の形成されていない時期でのほだ木のくん蒸処理や殺虫剤散布を行う。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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