農作物病害虫データベース

ダニ類(きのこ/ブナシメジ)

ダニ類

病徴と診断

コナダニ科の中でもケナガコナダニ属がブナシメジ等のビン栽培やマイタケ、シイタケの袋栽培、マッシュルームで被害が報告されている。
体長は雌が0.4~0.5mm、雄が0.3~0.4mmである。足は4対あり、胴体後部の周縁から発する6対の著しく長い毛がある。体の色は乳白色である。
生活史は、7~10日で卵から成虫になり、交尾後1~2日で産卵を開始し、300個以上の卵を産む(25~28℃)。低温には強いが熱に弱く、50℃の直接接触なら平均1.4秒で致死することが報告されている。移動速度は13.3秒/cm(調査9個体の平均値)であり、22分で約1mを移動することが可能である。

発病条件

ブナシメジ培地内の栄養材に誘引されて侵入しているものと考えられる。ダニが侵入することで、ダニによる食害とビン内に持ち込んだ害菌(特にトリコデルマ属菌)の繁殖が問題となる。温度や栄養条件の違いでダニの生育には差がみられるが、ビン内で何世代か回転し幾何級数的に増殖する。ビンから這い出した個体は、新たに近くのビンに侵入し、被害を拡大させる。ブナシメジの菌糸が伸長した後は、ダニが侵入しても培地内でダニが大繁殖することは少なく、接種から2週間前後の培養管理が最も重要となる。

防除方法

ダニを発生させないためには日々の発生防止対策が重要となる。
・接種~10日間前後の培養ビンへの侵入防止を徹底する
・木製パレットより樹脂製パレット(PPなど)を使いる。使用前に殺菌釜の余熱で加熱処理や洗浄・天日乾燥を行い、殺菌・殺虫処理してから培養室に入れる。
・割れビン・破損キャップの処分を徹底する
・培養中の害菌汚染ビンは殺菌処理後に掻き出しする
・キャップのウレタンフィルターを定期交換する
・培養室は定期的に清掃する
・可能なら害菌汚染やダニの被害の無い、初期培養室を設ける
・空調機の故障等で空気循環が悪く、温湿度ムラがあると増殖しやすいので、室内全体の空気の流れを調整する
・施設内へのダニや害菌に汚染された空気や人の侵入を防止し、汚染物を培養室に持ち込まない
・作業によって作業着を使い分ける 
・培養室に入室する際は履物を除菌槽で除菌するか、専用の内履きなどに履きかえる
・鳥、ネズミ、ハエなどのダニの媒介者となる生物の侵入防止も徹底する

ダニが原因と思われる害菌汚染が発生した場合は次の対策を実施する。
・害菌汚染の原因と思われるダニの種類を同定する
(汚染ビンの検鏡かダニトラップを培養室内に設置する)
・害菌汚染ビンは1か月以内に抜き取り、殺菌処理後に掻き出す
(ダニは接種後40日~50日以上経過するとビンから這い出してくる)
・汚染した培養室への入室は、作業の最後とし、被害を広げない
・接種~10日目前後の培養ビンへの侵入防止を徹底する
 ①害菌汚染の無い初期培養室の設置
 ②マルチ(ビニールラップ)被覆による物理的な侵入防止対策
・部屋を空にした後、清掃(掃除機等)→洗浄→乾燥後に次亜塩素酸ナトリウム、オゾン処理等で除菌する(ダニの餌をなくす)
・定期的にダニトラップを設置してビンの抜き取り本数と一緒に培養室のダニの消長も確認する

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