研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 令和2年(2020年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南農ナシ6号」の育成

9月上~中旬に収穫できる大玉で高糖度、良食味の中生の赤なしとして「南農ナシ6号」を育成した。「南農ナシ6号」は黒斑病に抵抗性、黒星病には耐病性で無袋栽培が可能であり、短果枝の花芽維持が良好で栽培しやすい。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご(高密植栽培)主要品種における被覆資材「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆による日焼け発生軽減効果

「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆は、りんご「シナノリップ」、「つがる」、「秋映」、「シナノスイート」の日焼け発生を軽減したが、「シナノゴールド」、「ふじ」では判然としなかった。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における収穫方法の違いが作業時間と果実品質に及ぼす影響

りんご「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「ふじ」の高密植栽培における樹の上部と下部を分けた一斉収穫(以下上下収穫)は、着色が良好な果実を選びながら収穫する方法(以下選り収穫)と比較して、単位面積当たりの収穫作業時間、単位収量当たりの作業時間が減少する。しかし、上下収穫により収穫された果実は、選り収穫した果実と比較して、着色が良好な果実の割合が減少する。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご「ふじ」、「シナノスイート」の開花状況と石灰硫黄合剤散布による落花の程度

りんご「ふじ」、「シナノスイート」は、頂芽花中心花の花弁の脱落が観察され、側花の花弁が完全に開いた花と花弁が脱落した花の割合が約70%に達する時に石灰硫黄合剤を散布すると、中心花の落花が少なく、側花の落花が多くなる。この生育ステージは、満開1日後から満開2日後である。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における着色管理回数の削減が作業時間と果実品質に及ぼす影響

高密植栽培の「シナノスイート」及び「ふじ」では、慣行の2回葉摘みを1回に削減することにより、単位収量当たりの作業時間は「シナノスイート」で1~3割、「ふじ」で2~4割削減されるが、果皮色はやや劣る果実が増加する。

普及技術 令和2年(2020年度)果樹試験場育種部、栽培部

りんご晩生品種「シナノホッペ」は有望である

りんご「シナノホッペ」は着色が安定して良好であり、満開後180日以降でデンプン指数2程度を目安に収穫できる。果実は糖度15%程度、酸度0.33g/100ml程度でみつ入りは安定している。着果量を5~6頂芽に1果とすると、果実重は300~340g、収量は3.5トン/10a程度が見込まれる。適期収穫した果実は、スマートフレッシュくん蒸剤の利用により、冷蔵条件で3か月後まで品質を保持できる。

農薬情報 令和元年(2019年)果樹試験場環境部

あんずのケムシ類防除にサムコルフロアブル10が有効である

あんずのケムシ類防除にサムコルフロアブル10の2,500倍液を散布する。蚕に対して影響があるので、桑園付近では使用しない。

普及技術 令和元年(2019年)果樹試験場環境部

ぶどうのマグネシウム欠乏症の低減に、マグネシウム含有葉面散布肥料のマグマンボ又はアクアマグの葉面散布が有効である

ぶどうのマグネシウム欠乏症状に、マグネシウム含有葉面散布肥料のマグマンボ又はアクアマグの500倍希釈液を、満開後10日以降の摘粒期頃から2週間おきに5回散布することで、葉脈間の退色・黄化症状の発生が低減する。

普及技術 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部

日本なしの樹体ジョイント仕立てにおいて、夏季の接ぎ木(夏季ジョイント)は有望である

日本なしの樹体ジョイント仕立てにおいて、本ぽ定植苗木育成やポット苗木育成により苗木育成2年目の8月上旬頃までに目標苗木長(3.3~4m)の苗木を育成し、夏季に接ぎ木(夏季ジョイント)を行うことで優良なジョイント樹ができる。

普及技術 令和元年(2019年)果樹試験場栽培部

りんご「シナノスイート」は収穫3日後までにスマートフレッシュくん蒸剤で処理すると冷蔵で収穫3ヶ月後まで鮮度が維持できる

りんご「シナノスイート」は収穫3日後までにスマートフレッシュくん蒸剤で処理すると、地色の退色及びワックス発生が抑えられ、冷蔵(2~3℃)で収穫3ヶ月後まで硬度低下を抑え、食味が良好に維持できる。

技術情報 令和元年(2019年)農業技術課、農業試験場、果樹試験場

令和元年東日本台風(台風第19号)による堆積土の土壌分析結果

堆積土の土壌養分は土性によって異なり、粘質、壌質の堆積土には堆積土直下の作土に近い肥料成分が含まれ、窒素の発現も見込まれる。一方砂質の堆積土は、肥料成分が少なく窒素の発現もわずかである。

技術情報 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部

低樹高栽培のかき「市田柿」における時期別の施肥窒素吸収特性

速効性の硫安を用いた11月~6月の施肥窒素は、相対的に新生器官である結果枝や果実へ多く分配され、特に6月の施肥窒素は果実への分配が多い。7月の施肥窒素は、新生器官への分配率が低下する一方、旧枝部(結果母枝~亜主枝)や主枝、主幹への分配割合が高まり、8月施肥ではその傾向がより強まる。ただし、同じ新生器官である徒長枝では、7月以降の生育後半も施肥窒素の寄与率が高く、常に施肥窒素が移行してきている。

技術情報 令和元年(2019年)農業試験場企画経営部、農業技術課

長野県内の垣根仕立てのワイン用ぶどう園における土壌の基本情報

県内の垣根仕立てのワイン用ぶどう園30か所で根域の土壌について断面、三相、粒径組成を調査し、また地質、土地の由来、農耕地土壌分類、地形と土地改良状況を確認し、土壌の母材をまとめた。いずれも排水性が確保されている点が共通しており、それ以外は多様性に富んだ土壌条件で栽培されていた。

技術情報 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部

かき「市田柿」優良5系統の特性と系統間差

かき「市田柿」の優良5系統について、若木期の生育量、生態、果実品質に関する特性に系統間差は認められない。

技術情報 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部

日本なし改植園の樹体ジョイント仕立て栽培における本ぽ定植した苗木の育成法

日本なし樹体ジョイント仕立て栽培において、苗木を本ぽに定植して育苗する本ぽ定植苗木育成を行う際、改植園では、客土処理とマルチ処理を併用することで、本ぽの土壌で育成する場合よりも、1年目の新梢伸長が優り、育成2年目の7~8月に、樹間1.5mでジョイント可能な3.3m以上の長さの苗木が得られる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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