研究情報

研究成果『土壌肥料』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「土壌肥料」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 令和5年(2023年度)農業試験場環境部

水田土壌可給態窒素の迅速評価法の本県土壌における適応性

水田土壌可給態窒素の迅速評価法は、本県の水田土壌の可給態窒素濃度の目安として活用できる。迅速評価法をパックテストで実施し、RGB値で評価した場合、乾土100gあたりのCODが190mg以上の土壌は本県の土づくり目標値を超えた。

技術情報 令和5年(2023年度)農業試験場環境部

有機物の連用処理が土壌理化学性及び水稲の収量・品質に及ぼす影響

稲わら800㎏/10a(全量鋤き込み相当)の長期連用は土壌中の交換性カリウム、可給態窒素濃度を増加させる。豚糞堆肥や発酵鶏糞の長期連用は土壌中の可給態リン酸濃度を顕著に増加させる。

技術情報 令和5年(2023年度)農業試験場環境部、野菜花き試験場環境部

土壌炭素貯留が期待される肥料、資材の施用効果

土壌炭素貯留が期待される肥料、資材は、施肥又は土づくりの目的で水稲及び秋どりハクサイ栽培に活用できる。炭素貯留では、分解率が高いため貯留効果が低く広い面積で取り組む必要がある肥料や、貯留効果は大きいが経済性や施用効果が低い肥料、資材がある。

技術情報 令和5年(2023年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南水」苗木のジョイントV字トレリス樹形栽培本ぽ定植育成時の切り返し位置及び被覆尿素を用いた省力施肥法

樹間150cm、主枝配枝高90cmのジョイントV字トレリス樹形用の日本なし「南水」の苗木を本ぽ育成する場合、定植時の地上部長が概ね130cm以下の苗木は、40cm付近で切り返し、翌年8月まで育成することで曲げ込み可能な280cm以上の苗木が得られる。また、定植当年及び2年目の生育初期にリニア型50日タイプの被覆尿素(LPコート50)を、苗木を中心に直径約50cmの円形内に施肥することにより、生育期間中に行う定期的な施肥を省略できる。

技術情報 令和5年(2023年度)果樹試験場環境部・栽培部、長野農業農村支援センター

りんご「シナノリップ」M.9台木樹の凍害枯死に及ぼす土壌物理性と樹勢の影響

りんご「シナノリップ」M.9台木樹の凍害枯死は土壌の固相率が45%以上かつ樹勢が弱い園地で多い。

試行技術 令和5年(2023年度)農業試験場環境部・作物部

水田から発生する温室効果ガス(メタン)の削減には中干し期間の延長が有効である

中干しを通常の期間より延長して土壌を乾燥させることにより、水田から発生する温室効果ガス(メタン)を3割以上減少させることができる。

普及技術 令和5年(2023年度)農業試験場作物部・環境部、上伊那農業農村支援センター

小麦「東山53号(ハナチカラ)」の肥培管理技術

「東山53号(ハナチカラ)」は、基肥窒素量を8㎏/10a、開花期に追肥窒素量で8kg/10aの追肥をすることで、安定した収量とタンパク質含有率の確保が可能である。また、上伊那地域の黒ボク土では、開花期の追肥窒素量の減肥が可能である。

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普及技術 令和5年(2023年度)農業試験場作物部、諏訪・北アルプス農業農村支援センター

長野県における水稲「つきあかり」の栽培体系

水稲「つきあかり」は、地域における「コシヒカリ」の標準施肥量で収量660㎏/10a程度の確保が可能である。増肥による収量の増収幅は小さい。栽植密度は18~22株/㎡程度が適する。また、成熟期の登熟積算気温の目安は1,000℃程度である。

「概要」はこちら

普及技術 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部、佐久農業農村支援センター、上伊那農業農村支援センター

水田転換畑で発生するブロッコリーの湿害軽減に平高うねマルチ栽培は有効である

ブロッコリーの平高うねマルチ栽培(25㎝高)は、作土層が大きく拡大するため、水田転換畑で生じやすい湿害が軽減される。

普及技術 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部、上伊那農業農村支援センター、松本農業農村支援センター

土壌の可給態窒素及び茎葉すき込み残渣を考慮した寒冷地ブロッコリーの窒素適正施肥技術

寒冷地ブロッコリーにおいて、可給態窒素量に基づく診断施肥は慣行施肥と同等の収量が得られるとともに、夏どりブロッコリー茎葉残渣すき込み後の秋どりブロッコリーにおいて標準的な窒素施肥量(20kg/10a)では窒素を2割減肥できる

試行技術 令和4年(2022年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「幸水」に対する根域施肥と表面局所施肥の組み合わせによる慣行施肥の50%減肥技術

日本なし「幸水」成木樹に対し、2月下旬に圧縮空気噴射式土壌改良機を用いて、慣行施肥における基肥と3~5月追肥の合計分の50%量の窒素を、緩効性窒素肥料で主幹から2m離れた周囲に等間隔で8か所、深さ30~40cmに打ち込む(根域施肥)。その後、6月下旬及び収穫後に慣行施肥の50%量の窒素を速効性窒素肥料で主幹の周囲に環状に表面局所施肥する。この施肥方法を5年間継続しても、生育、収量及び果実品質は慣行施肥と同等に維持できる。

試行技術 令和4年(2022年度)野菜花き試験場野菜部、佐久支場

マルチ2作利用での2作目の施肥作業における追肥機の利用は作業負担軽減に有効である

マルチ2作利用での施肥作業においてハンディ追肥機を利用することにより、従来の手作業による追肥と比較して作業姿勢が大幅に改善し、作業時間が短縮する。

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技術情報 令和4年(2022年度)南信農業試験場栽培部

低樹高栽培のかき「市田柿」における年間窒素施肥量

低樹高栽培のかき「市田柿」において、現行の県窒素施肥基準量の30%減となる15.4kg/10aで栽培を継続しても、樹体生育や果実収量・品質は、現行の県窒素施肥基準量で栽培した場合と同等である。

技術情報 令和4年(2022年度)

日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培における主枝直下への帯状局所施肥による慣行施肥の30%減肥栽培

日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培において、3月下旬にリニア型40日タイプの被覆尿素を、また収穫後の9月下旬には速効性窒素を主枝配枝直下に1mの幅で帯状に局所施肥(帯状局所施肥)すると、全面施肥の地域慣行より30%減肥しても同等の収量、品質が得られる。

技術情報 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部

水田転換畑の耕うん適期を見分けるための適切な土壌水分

水田転換畑の砕土率を高める含水率は、多湿黒ボク土で約35%以下、灰色低地土では約20%以下であり、手で握った時の土塊の崩れやすさで耕うん適期を診断できる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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