研究情報

研究成果『病害虫』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

果樹を加害する主要カイガラムシ類幼虫の発生時期

果樹試験場内(須坂市、標高 360m)におけるカイガラムシ類歩行幼虫の発生時期は、 ナシマルカイガラムシは6月上旬~7月中旬及び8~9月(年2回)、ウメシロカイガラムシは5月中旬~6月上旬、7月中~下旬及び8月下旬~9月中旬(年3回)、カツ ラマルカイガラムシは6月下旬~7月中旬及び9月中旬~10 月中旬(年2回)、ミズキカタカイガラムシは6月中旬~7月上旬(年1回)、モミジワタカイガラムシは6月上旬~7月上旬(年1回)である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

くるみに発生する2種の果実腐敗性病害(クルミ黒斑細菌病、クルミ炭疽病)の特徴

クルミ黒斑細菌病の果実での発病は6月初旬頃から認められ、黒褐色で硬く周辺に水浸部を伴う病斑を生じる。一方、クルミ炭疽病の腐敗型病斑は7月下旬頃から認められ、深く陥没して内部に鮭肉色の分生子塊を生じるのが特徴である。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

リンゴ黒星病、褐斑病の発生に及ぼす草生管理の影響

リンゴ黒星病、褐斑病が発生している園地の草生管理では、地表面の草を過度に繁茂させた場合、草生に接する下枝の黒星病、褐斑病の発生が多くなる傾向がある。草生が草丈 20cm 程度(概ね作業上支障となる草丈)になった時点で刈り払い、繁茂させないよう管理することで、この傾向は改善される。

技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部

リンゴ黒星病、褐斑病防除における越冬落葉処理の効果

リンゴ黒星病、褐斑病の発生園地では、春季にほ場内の越冬落葉を集めて処分することにより落葉からの子のう胞子の飛散量が減少し、両病害の初期発生を抑制することができる。

技術情報 平成27年(2015年)農試・環境部

イネもみ枯細菌病(穂枯症)は多窒素条件で発病が助長される

イネもみ枯細菌病(穂枯症)は、多窒素条件で葉色が濃いほど発病が助長されるため、採種栽培において多窒素栽培は避ける。

技術情報 平成27年(2015年)農試・環境部

イネ種子のイネもみ枯細菌病菌の保菌判別法

増菌処理を加えた生物検定とLAMP法を組み合わせることにより、イネ種子に存在するもみ枯細菌病菌の有無を効率的に判別できる。

技術情報 平成27年(2015年)野菜花き試験場環境部、野菜部、佐久支場

ブロッコリー花蕾腐敗病はアブラナ科野菜黒斑細菌病菌(Pseudomonassyringaepv.alisalensis)によっても引き起こされる

アブラナ科野菜黒斑細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. alisalensis)はブロッコリーの葉のみならず、花芽や花梗部などの花蕾に腐敗症状を引き起こす場合がある。外葉の黒斑細菌病の発病度が高いほど、花蕾腐敗病の発病株率が高まる傾向がある。

技術情報 平成27年(2015年)南信農業試験場栽培部

ナシ黒星病菌に対するEBI(DMI)剤の効力低下

下伊那郡4園地から集めたナシ黒星病菌に対するEBI(DMI)剤の効果を検討したところ、効力低下が進行していることが確認された。

普及技術 平成27年(2015年)農業試験場環境部

採種栽培のためのもみ枯細菌病防除の指針(マニュアル)

採種栽培のためのイネもみ枯細菌病防除指針の主な内容は、伝染環、診断、苗腐敗症・穂枯症の防除手段等を体系的にわかりやすく解説したものである。

技術情報 平成26年度(2014年度)農業試験場企画経営部

ポリエチレン製ネットと通電線を組み合わせた電気柵はニホンザルの侵入を防止できる

高さ 1.5mのポリエチレン製ネットと通電線6段を組み合わせた電気柵を設置することで、ニホンザルの農地への侵入を防ぐことができる。

試行技術 平成26年(2014年)農試環境部

イネいもち病(穂いもち)の防除要否の判断を支援するための目安

イネいもち病(穂いもち)の防除において、「穂いもちの防除要否の判断を支援するフローチャート(暫定版)」は防除要否の判断を支援する。本フローチャートの適用品種は「コシヒカリ」とする。

普及技術 平成26年(2014年)農試企画経営部

ポリエチレン製ネットと通電線を組み合わせた電気柵はイノシシ・中型獣の侵入を防止できる

高さ1mのポリエチレン製ネットと通電線2段を組み合わせた電気柵でイノシシ・中型獣(ハクビシン・タヌキ等)の農地への侵入を防ぐことができる。

普及技術 平成26年(2014年)農試企画経営部、農業技術課

広域防護柵の河川開口部に防草シートをのれん状に垂らして目隠しすることでニホンジカの侵入を防止できる

広域防護柵の河川開口部に不織布タイプの防草シートを20~30㎝重ね、のれん状に垂らして目隠しすることでニホンジカの侵入を防止できる。

技術情報 平成26年(2014年)野菜花き試験場佐久支場

レタスべと病に対する品種間差

レタスべと病に対する感受性には品種間差が認められる。感受性が低い品種の中では、「バレイ(UC-022)」、「ランディ(UC-023)」、「スイッチ(KAY-004)」および「ルシナ66」がある。

試行技術 平成25年(2013年)農試環境部、農業技術課

アカヒゲホソミドリカスミカメ発生予察用フェロモントラップとして粘着網円筒トラップが利用できる

粘着網円筒トラップはこれまでアカヒゲホソミドリカスミカメ発生予察用フェロモントラップとして用いられている垂直粘着トラップに比べ捕獲性能が高く、水田のアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長が把握できる。2種の誘引剤(信越化学工業製とアース・バイオケミカル製)の誘引性は同程度である。

研究成果の検索

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

  • 農業試験場
  • 果樹試験場
  • 野菜花き試験場
  • 畜産試験場
  • 南信農業試験場
  • 水産試験場
  • 研究課題の募集
  • 視察研修の受け入れについて
  • 研究成果
  • スマート農業
Copyright © Nagano Prefecture. All rights reserved.